２０１２．０５．１１．

高分子フィルム・接合：接着剤なし・軽量化可能に！

金属原子でフィルム接合・東大！


　鉄などの金属原子を使って高分子フィルムを常温で接合する技術を開発したと、東京大大学院工学系研究科の須賀唯知教授が５月１０日発表した。接着剤を使う従来の方式に比べ軽量化でき、半導体などのごく小さな部品を接合するのに役立つという。

　須賀教授は、真空状態でフィルムの表面にシリコンを付け、その上に鉄などの金属イオンを照射して原子を付着させた。この処理を済ませたフィルム同士は、表面の金属原子が結合することでくっつく。フィルムとガラスの接合にも成功した。

　シリコンと金属原子の層は、それぞれ１０ナノメートルと１ナノメートル（ナノは10億分の1）で接着剤より大幅に薄く、紫外線や放射線にも強いという。