2012.08.19.

カウンター


原子力審議会委員:延べ24人に資金・電事連企業!

10年度・延べ21人が資金提供を受領!


 全国市民オンブズマン連絡会議は8月18日、全国14道県の原子力関係の審議会で学識経験者として委員になっている延べ265人のうち、東京電力福島第1原発事故後の2011年度に延べ24人が、電気事業連合会の関係企業から、研究費や寄付などの形で資金の提供を受けていたとの中間調査報告を発表した。

 14道県は原発が立地する13道県と立地計画のある山口県。10年度にも延べ21人が資金提供を受けていた。

 調査は委員の所属大学などに対し、寄付や受託研究など外部資金の受け入れに関する資料の開示を求める情報公開請求の手法で実施した。

 同連絡会議は「原発再稼働には地元の意向が無視できないが、審議会委員が電事連の構成企業から寄付を受けていた場合、審議会の議論が公正であるとの説得力を持たないのではないか」と指摘している。

 同連絡会議によると、資金提供を受けていたのは多くが工学部の原子炉の研究者で、茨城県の原子力安全対策委員だった東大大学院の関村直人教授は、10年度に三菱重工業などから約4200万円を受け取っていた。

 11年度には、島根県原子力安全顧問会議委員の産業技術総合研究所の「佃栄吉理事」が名称不開示の企業から1千万円、茨城県原子力東海地区環境放射線監視委などの委員だった東大大学院の「小佐古敏荘教授」が日本原燃などから945万円、福井県原子力安全専門委の委員を務めた、福井大大学院の「飯井俊行教授」が中部電力などから約750万円を受け取っていた。

 調査で資金提供を受けたと指摘される学識者の一人は「研究費は企業から受託研究のために受けているもので使途が自由な寄付と同列に扱うべきではない。日本の大学の研究費は極めて少なく、(資金提供を受けるのは)必要不可欠だ」と反論した。

 同連絡会議によると、情報公開請求に対し、私立大のほか北海道大や東北大など未回答の国立大学も多く、最終報告は11月に行う予定。