２０１２．０８．２７．

中国・鉄鉱石の購入契約：不履行相次ぐ！

製鉄所・３００〜４００万トン！

９月に反発も・中国在庫減で！


　商品現物市場のトレーダーは８月２２日、鉄鉱石価格の急落を受けて今月、中国の製鉄所による鉄鉱石購入契約の不履行や受け取りの延期が相次いでいると明らかにした。

　シンガポールのトレーダーは、中国業者による購入契約の不履行や延期は月初来で３００万─４００万トンに上るとの見方を示した。

　鉄鉱石の購入契約の不履行や受け取り延期が相次ぐのは今年に入って２回目。

　世界最大の規模を持つ中国の鋼鉄市場だが、景気減速による影響が及びつつある実態があらためて示された。

　ブラジルの鉄鉱石大手、ヴァ―レVALE.SAのムリロ・フェレイラ最高経営責任者（ＣＥＯ）は８月１６日、鉄鉱石価格について、中国国内の在庫の減少から９月に再び上昇に転じるとの見方を示した。

　同ＣＥＯは、中国国内の供給可能な鉄鉱石の在庫が以前の３０日分から２０日分まで減少しており、近く世界市場を圧迫すると述べた。

　鉄鉱石価格は１トン当たり１２０ドル近辺で推移しているが、前年の同時期では１７０〜１８０ドルの間で推移していた。

　中国の鉄鉱石輸入価格が８月第２週に急落し、２０１１年下期以降の最安値を更新した。中国鋼鉄工業協会によるとトン１２１・61ドル（約1万5200円）と、前週比８・6％安で４週連続の下落。約９カ月ぶりに１３０ドルを下回った。

　国内外の資源会社の供給増で港湾鉱石在庫が積み上がり、需給が緩和。景気減速から鉄鋼メーカーによる秋以降の減産も予測され、鉱石貿易商社が輸入量の削減と販売促進に動いているといわれる。