2012.09.16.

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山口福祉文化大:留学生110人超除籍!

不明70人は不法就労か!


 山口福祉文化大(山口県萩市)=民事再生手続き中=が東京都墨田区のビルに開設したサテライト教室に在籍していた留学生のうち、2011年以降、授業料の未納や授業への欠席が続いたことを理由に110人以上を除籍処分にしていたことがわかった。

 このうち70人以上の行方が確認できていないという。日本で不法就労している可能性もあるとして、法務省東京入国管理局は今年2月、同大に対して留学生を除籍する際は帰国を促すよう異例の指導を行った。

 同教室では、5月1日の時点で本校171人の3・5倍にあたる606人が在籍し、うち605人が中国人などの留学生だった。

 東京入管によると、同大は11年、授業料未納や3か月以上連続の欠席などを理由に、同教室の留学生約40人を除籍したと入管に報告。除籍処分は今年1〜4月に約20人、5月以降も50人以上に上った。5月以降の除籍学生は約3分の1が1年生で、授業にはほとんど出席していなかった。

 東京入管は、除籍学生が多いとして入管難民法に基づき、2月に同教室の立ち入り調査を実施した。

 同大は08年に同教室を設置。留学生は入学金20万円のほか、日本人の半額の学費(年間授業料38万5000円)で学べるため人気があった。同大では、前身の萩国際大当時の02年と03年にも、中国人留学生ら計76人を除籍処分にしている。

 同大は「入試段階で学業に対する意欲や経済力を見極めるのは難しく、対策は現状では思い付かない。除籍処分をする段階で、すでに連絡がとれないケースが多く、事実上、指導は難しい」としている。


 山口福祉文化大(山口県萩市)サテライト教室について、図書館や自習室がないなど法令で定める設置基準を満たしていないとして文部科学省の改善指導を受けていたことが分かった。本校(171人)の約3・5倍の606人が在籍しており、98%は中国やネパールなどからの留学生。同省は不法就労につながる恐れがあるとして規制を強化する。

 同大は本校での集中講義やビル移転などを再生計画に盛り込み、近く山口地裁に提出する方針。同大によると、教室は08年の開設で、7階建てビルの1〜6階と近隣ビルの1フロアを使用。対面式か通信回線を使った講義をしており、入学式や卒業式を除き、本校に通わずに卒業できる。

 同省は図書館などの環境整備を条件に、サテライト教室での授業を認めているが、同教室に図書館や自習室、医務室などがなく昨年11月、文書で改善指導した。同省は「学習環境があまりに不十分。サテライト教室中心の授業は大学設置基準の趣旨に外れている」と話している。

 同大は改善策として本校で集中講義を受けるようにするなどの改善案を挙げており、運営する学校法人萩学園(萩市)の亀井郁夫理事長は「学生の出席状況を確認し、不法就労が起きないようにしている」と強調。十分な広さのビルに移転する方向で交渉中という。

 同大の前身の旧萩国際大は定員割れで留学生を大量に受け入れ、失跡や不法就労などの問題が発覚。経営悪化により、運営母体の法人は05年、民事再生法適用を申請。広島市の企業の支援を受け06年3月に再生手続きを終え、07年度から校名変更し、いったんは黒字となった。しかし、約41億7700万円の負債を抱え、今年6月に2度目の民事再生手続きを申請した。


 少子化で多くの私立大は学生の確保に苦しんでいる。文部科学省によると、この10年間で経営悪化を理由に2校が廃校したが、現在学生の募集を停止しているのは福岡医療福祉大(福岡県太宰府市)など8校に上る。8校とも学生の卒業と同時に廃校予定だ。

 定員割れの大学も増えている。日本私立学校振興・共済事業団によると、4年制私立大のうち12年春に定員割れした大学は46%。少子化に加え、景気の低迷で国公立を選ぶ傾向が強まっていることが原因とみられる。

 そこでターゲットを留学生に絞る私大も少なくない。国も2020年をめどに留学生の受け入れ30万人を目指す「留学生30万人計画」を打ち出しており、各大学とも給付型の奨学金制度の導入や日本語学習の充実など受け入れに力を入れている。

 山口福祉文化大の東京サテライト教室も留学生確保が狙いだった。とりわけ都内はアルバイト先が多くて生活費が稼げるとあって留学生に人気で、同大関係者は「(大学の財政が)留学生頼みになっているのが現状」と依存関係を認めた。

 東京大が口火を切り各大で検討が進む「秋入学」も留学生を受け入れやすくするための方策だが、定員確保のための安易な留学生集めは不法就労などのトラブルを招き、大学にとってマイナスイメージになる恐れもある。

 福岡県内の私立大担当者は「いかに優秀な留学生に入学してもらえるかが大学の存亡のかぎを握る」と話す。