2012.10.16.

南極の海氷面積増加:北極は激減!

アクセスカウンター
GoodsFun-グッズファンモテコン婚約指輪サーチサマンサレーベル

温暖化に抵抗できず!


 地球温暖化、海氷融解、海面上昇がたびたび報じられるなか、一見明るいニュースと思える気候解析データが発表された。冬の南半球において、南極大陸の冷たい海に浮かぶ海氷の面積が増えていることがわかったのだ。を踏み出した。
 アメリカ国立雪氷データセンター(NSIDC)が10月11日に発表したところによると、衛星データが示した2012年9月末の南極大陸周辺の海氷面積は、この領域での観測史上最大となる1944万ukmを記録したという。とはいえ、その成長速度は遅く、前年から約1%増加したにすぎないため、先ごろ最少記録を更新した北極の海氷の融解を補うにはほど遠い。

 ナショナルジオグラフィック ニュースでは、NASAの研究者でカリフォルニア大学アーバイン校(UCI)の地球システム科学教授であるエリック・リグノ氏にインタビューし、今回の観測結果は明るいニュースなのか、また氷の融解が一因となっている海面上昇にとって、この結果がどのような意味を持つのか話を聞いた。

◆南極の海氷面積が過去最大を記録したというのは、われわれがよく耳にする海氷減少のニュースと矛盾しているように思えますが、なぜ海氷が増加するのでしょうか?

 「温暖化が地球全域で一様に進んでいるのなら、南極大陸の海氷面積も減少するはずですが、実際はそうではありません。というのも、南極は地球の他の地域より気温が低いからです。南極も温暖化してはいますが、他の地域よりペースが遅いのです。

 その結果、地球の他の地域は気温が上昇し、南極は低温のままという現象が起きており、その差は拡大しつつあります。それによって南極周辺の風速がやや強まっています。他の気域との差は、南極上空の成層圏でオゾンが減少し、成層圏の温度を下げていることも原因の1つです。」

 以上が南極大陸で起きていることの主な原因ですが、その影響はごく小さいものだと認識しなければなりません。

◆他の研究データは、南極の大陸氷の融解が海面上昇に寄与していることを示していますが、今回の観測結果はそれとどのように関係するのでしょうか?

 「海氷はもともと海に浮かんでいるものですから、(海氷の増加は)海面の高さにはどのみち影響しません。増えても海水位は変化しないのです。海水が凍ったものですから、それが氷であろうと水であろうと、海水位は変化しません。」

◆北極では海氷が減少しているのに、南極では少しずつ増えています。北極と南極でこれほどの違いがあるのはなぜでしょう?

 「南極点には大陸があります。北極点には海しかありません。北極では大気温と海水温の本格的な上昇がみられ、加えて氷の移動が増加しています(北極域から外へ出ていく氷が増え、北極から冷たい空気と水を奪っている)。それらすべての要素が影響して、北極の海氷面積が減少しているのです。」

 一方、「南極は、独自の気候システムとして考えなければなりません。地球の他の地域から隔絶した広大な大陸で、周囲を海洋に囲まれています。風がいつも南極の周囲を時計回りに吹き、この大陸を孤立させています。北半球の他の地域と完全につながっている北極とは事情が異なるのです。」

◆地球の気候システムは問題を抱えていると常々言われていることを考えれば、今回の観測結果は朗報なのでしょうか?

 「今回の結果は、地球温暖化に関するわれわれの理解と一致しています。局地的な細かい変化に関しては、簡単には予測できない場合もあります。ですが、全般的傾向として海氷面積が減少し、グリーンランドの氷床および氷帽が減少していることは、われわれの予測と一致しています。

 南極は各種モデルが予測したほど速いペースでは温暖化していません。しかし、ペースが遅いだけで温暖化していることは確かです。したがって、地球温暖化の傾向とはまったく矛盾していません。」