2012.12.10.

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日仏両国:原子力が必要・アレバ!

三菱重工との協業関係は維持!


 来日中の仏原子力大手アレバのリュック・ウルセル最高経営責任者(CEO)は12月7日、都内で記者会見し、日本はフランスと同様に国内資源に乏しいと指摘し、「(両国にとって)原子力は今後も不可欠な主要電源となる」と述べた。

 欧州ではドイツが脱原発政策を進めるが、ウルセル氏は「政策転換が急で、電気代上昇や二酸化炭素(CO2)排出量の増加などの問題が噴出している」と批判。太陽光など再生可能エネルギーと原発は「相互補完的で、対立軸と考えるべきでない」と強調した。

 また、民主党政権が掲げた「2030年代の稼働原発ゼロ」には「目標達成には電力安定供給の道筋や貿易バランスなど諸課題をつめる必要がある」と指摘した。

 一方、提携先の三菱重工業が、ライバル関係にある米ゼネラル・エレクトリック(GE)の提携先である日立製作所と発電事業の統合を決めたことについては「原発部門に統合が及ぶとしても、だいぶ先の話だ。三菱重工との長年の協業関係は維持される」と、影響を否定した。

 原子炉開発で提携している三菱重工業とは「非常に密接な協業関係がある」として、今後も提携関係を継続する方針を示した。

 三菱重は先月末、日立製作所と火力発電システム事業の統合で合意。将来的には原子力発電事業の統合も検討する方針を示した。ただ日立は、アレバと競合関係にある米ゼネラル・エレクトリック(GE)と原発事業を統合しており、三菱重と日立が原発事業で提携する場合、現行の提携関係にどう影響するのか、関心が高まっている。

 ウルセルCEOは、三菱重と日立の原発事業の統合は「まだまだ先の話だろう」としたうえで、「アレバのパートナー(三菱重)は、特に成功体験という資産を保持したいと考えると思う」と述べ、現行の関係が継続するとの見通しを示した。

 三菱重との合弁会社で中型原子炉を開発・販売する「アトメア」を通じ、今後もベトナムなどでの受注活動を進めていくと語った。また、アトメアが受注活動を進めているヨルダンではロシア企業と競合しているが、「来年4月の(ヨルダン側の)回答を静かに待ちたい」と述べた。