2013.01.07.

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参院選後:3パターンで「参院選後」を展望!

13年参院選で自公が過半数に達するには?


 安倍晋三首相は1月4日から始動し、デフレ脱却のための経済対策のとりまとめや13年度予算編成作業を本格化させる。その先に見据えるのは7月の参院選。第2次安倍内閣の実績を重ねて自民、公明両党で過半数を獲得し、衆参両院で政権運営の主導権確保を狙う。三つのパターンに分けて「参院選後」を毎日新聞が展望した。


(1)自公で過半数確保…本格政権で改憲視野

 安倍首相は昨年12月26日の記者会見で「政治の混乱と停滞に終止符を打つためにも、安定的な政権運営を行っていくことがわれわれの使命だ」と強調した。安倍氏の念頭にあるのは参院選勝利だ。

 自公両党の非改選議席は計58。次期参院選で、改選される計44議席から20上積みすれば、過半数の122議席に達する。10年参院選の獲得議席は自民党51、公明党9。衆院選の勢いを持続すれば、「自公で64議席」は手の届かない数字ではない。

 安倍内閣は「経済再生」「復興」「危機管理」に最優先で取り組む。12年度補正予算案は10兆円規模で編成。物価上昇率2%を目標に日銀との連携を強化し、経済政策全体の司令塔として経済財政諮問会議を1月上旬にも始動する。

 外交では、1月中にも訪米し、オバマ大統領と首脳会談を行いたい考え。4日には自民党の額賀福志郎元財務相を政府特使として訪韓させ、2月の森喜朗元首相の訪露をてこに、日露関係の進展も図る。

 首相は年頭所感で「『結果』を出すことにこだわる」と述べた。内政・外交の課題を着実にこなせば、参院選後の本格政権も見えてくる。首相が参院選を重視するのは、参院で野党が多数を占める「ねじれ国会」を解消し、憲法改正をはじめとする「安倍カラー」を打ち出したいためだ。

 日本維新の会など改憲勢力が伸びたとしても、参院側で憲法96条が定める改正発議要件(総議員の3分の2以上)を満たす162議席をクリアできるかは微妙だが、少なくとも改憲に向けた足場固めを狙う。

 ただ、憲法改正や原子力政策を巡っては、連立パートナーの公明党と温度差がある。首相が保守色の強い政策に傾斜すれば、両党の関係がぎくしゃくしかねない。


(2)自民が比較第1党…部分連合にハードル

 07年と10年の参院選はいずれも政権への有権者の不満が反映して与党が敗北した。今夏も昨年の衆院選からの揺り戻しがないとは限らない。自民党の石破茂幹事長は「自民党に投票するんじゃなかったと思われれば、すぐに参院選に跳ね返る」と引き締める。

 自公両党で過半数ラインの64議席を獲得できなくても、自民党が比較第1党なら、安倍首相はひとまず民意の支持を得たといえる。ただ、「ねじれ国会」は続くため、維新やみんなの党などを中心に政策ごとの部分連合を探ることになりそうだ。参院で否決された法案を衆院の3分の2以上で再可決できるが、当面、強引な国会運営は自重するとみられる。

 試金石になりそうなのが、4月に任期が切れる日銀総裁の国会同意人事だ。自公両党は現在、参院(欠員6)で過半数に17議席足りないが、みんな(11議席)や維新(3議席)などの協力があれば、仮に民主党が反対しても、可決が視野に入る。

 ただ、みんなの党の渡辺喜美代表は参院選での自公過半数阻止を目標に掲げ、野党候補の一本化を呼びかけている。

 維新やみんなも参院選で議席を伸ばさなければ埋没しかねず、選挙前には、自公政権に簡単には妥協しにくい。

 参院選で自公両党が過半数に届かなかった場合には、協力のハードルをさらに上げるのは確実だ。

 将来の憲法改正をにらみ、維新、みんな両党とのパイプをつないでおきたいのが首相の本音だ。しかし、首相が公明、維新、みんなの各党に配慮して参院選後も「安全運転」を続ければ、政策的な独自色が薄れる可能性もある。


(3)自民大敗…与党からも退陣論

 自民、公明両党で46議席にとどまった第1次安倍内閣での07年参院選と同様の大敗をした場合、首相の立場は厳しくなる。自民党内には、07年の大敗が政権転落を招いたとの認識が強い。大敗すれば与党内からも退陣要求が出る可能性がある。

 首相は07年参院選の際は続投を表明したが、2カ月弱後に政権を投げ出した。ただ、07年の時と同様、与党は衆院で3分の2以上を確保しており、参院で否決された法案も再可決できる。「3分の2」を持たずに10年参院選に敗北した民主党政権ほどの苦境には陥らなそうだ。

 自民党が大敗した場合、民主や維新などは安倍政権への攻勢を強め、衆院解散・総選挙を求めるとみられる。

 ただ、自民党を大敗に追い込むには31選挙区に及ぶ改選数1の「1人区」での野党共闘が不可欠になる。民主、維新などは政策の隔たりも大きく、「対自民」での野党協力は容易ではない。