2013.01.21.

アクセスカウンター
カラコン 通販ダイエットサプリピアス通販モテコン

南海地震:近畿・四国各地に危機感!

避難広場も浸水してしまう・四万十町!

2分で津波第一波が・全員を助けられない! 

病院の高台移転・少ない成功例 徳島・牟岐町!


 「津波の第1波は地震発生から2分で到達し、高さは最大で13m」−。

 熊野灘に面し、鯨の街として有名な和歌山県太地町の暖海地区。南海トラフを震源域とする巨大地震で、国の中央防災会議が発表した津波の想定は衝撃的だった。避難の目安とされる「5分」の半分以下で第1波が到達、ビルにして4階程度の津波が海抜1〜2mの地区を襲う。地区の人口は500人余り。約250世帯のうち、3分の1が独居や夫婦だけの高齢世帯だ。

 住民は「自力」で避難しなければならず、2分で津波が到達すれば、お年寄りを助けられない。ある一家は、足が不自由な母をどう避難させるか話し合った。母は「私にかまうな」と告げ、各自で逃げることを確認しあったという。

 本来、「津波対策先進地」であった自治体ほど、衝撃は大きい。「これまでの設備では、高さが全然足りない」−。

 高知県四万十町防災対策室の山脇光章室長(48)は、新想定に目を疑った。町は平成16年ごろから、高知県が独自に算出した8・6mの浸水予測を受けて、海抜15mの高さの避難設備を整備してきた。しかし集落の大半が5〜20m浸水するとした新想定では避難広場の一つ、本村避難広場が7mも浸水する−との結果が出た。

 昨夏の公表以降、高齢者から「逃げようがない」などの声が相次いで寄せられたが、新しい避

難路の整備などハード面での大規模な見直しが必要だ。「最大値を発表した以上、国が責任をもって支援すべきだ」。担当者の叫びは悲痛だ。

 自治体が「知恵」をしぼって対策を取る例もある。徳島県牟岐町にある県立海部病院は「県の英断」(坂東弘康院長)で、約8億円をかけて病院の裏にある高さ15・6mの高台へ移転することが決まった。地域に出された新想定は「最大10mの浸水」。従来の想定は1〜2mだったが、10mなら4階建て施設の3階(約9m)を優に超える。

 国の「地域医療再生臨時特例交付金」(平成22年度分)を活用し、県は海部病院など2病院の高台移転を行う。「自主財源での移転は難しい」(県医療政策課)ゆえの施策だ。

 「(宮城県南三陸町にあった)公立志津川病院と同じロケーション。移転しか抜本的対策がなかった」−。坂東院長がたとえた志津川病院は、東日本大震災の津波で4階まで浸水、入院患者ら70人以上が犠牲になった。従来の想定では、3階以上は浸水しないはずだった。

 南海トラフ地震の被害が懸念される他の地域で、交付金を高台移転に使うケースはない。ハード面の整備に使う場合、「平成25年度中の着工」という条件がきつくのしかかる。

 災害の際にいわれる自助(自分の身を守る)、共助(周りで助け合う)、公助(公的支援)。大震災では助かった人の7割が「自助」とされ、「公助」の1割を大きく上回った。しかし未曽有の巨大地震や大津波から命を守るには、従来の枠を超えた新しい「共助」が必要となる。