2013.04.12.

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北九州・丸源ビル:老朽化で14棟は消防法違反!

違反項目・130項目!


 法人税10億円余りを脱税したとして、法人税法違反(脱税)の罪で3月25日に東京地裁に起訴された「丸源ビル」オーナーの川本源司郎被告(81)。貸しビル業の草分けとして福岡、東京でチェーン展開してきたが、ビルの老朽化が進んでいる。創業の地、北九州市ではビル14棟に消防法違反が130項目あり、市消防局が改善指導を繰り返している。川本被告は保釈後、「貸しビル業から撤退する。今は(テナントが出て行くのを待っている)自然淘汰の状況」と答えた。地元では不安が広がっている。

 川本被告は1960年代に出身地の北九州市小倉北区で貸しビル業を始めた。飲食ビルを中心に福岡・中洲や東京・銀座に事業を広げ、バブル期は約60棟を所有。最盛期でテナントは約5900店を数えた。

 小倉には、川本被告が社長を務める法人所有の17棟があり、多くが1970年代の建物。平均入居率は3割弱で、「入居ゼロ」も数棟ある。あるビルでは壁や天井がはがれ、階段の踊り場には段ボール箱や空き缶、布団が散乱している。

 北九州市消防局は昨年5〜6月、丸源ビル17棟のうち入居者がいる14棟の設備を検査。(1)消火器の未設置(2)誘導灯の不点灯(3)火災報知機の故障−など全棟に計130項目の消防法違反を確認し、改善を指導した。

 同11月には、改善命令の前提となる勧告書を提出。改善は誘導灯交換など一部にとどまっており、市消防局は改善命令を出すことも検討中だ。

 3月27日に保証金5億円を払って保釈された川本被告は5日「10年前から、飲食店向けの貸しビル業はやめようと思ってきた」と話す。

 「北九州のビルのうち4棟は、芸術作品を発表するイベントホールや(洋服などを販売する)ファッションセンターにする。消防法違反は再開業時に改善する」と説明。残りの13棟は「人が出入りできないよう閉鎖し、活用法をゆっくり考える」と述べ、即座に対処する意向は示さなかった。

 川本被告の発言に地元では「違約金を払わずテナントに出て行ってもらうため、防犯対策など何にもしないということだろう」との見方が出ている。

 小倉のある丸源ビルでは入居者がおらず、ホームレスが寝泊まりしたり、若者が夜に肝試ししたりして騒いでいる。近くの住民は「これは丸源ビルというより幽霊ビルだ」。