2013.05.20.

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レアアース泥・インド洋にも:東大が発見!

海洋に広く存在か!


 ハイテク製品に欠かせないレアアース(希土類)を高濃度に含む海底の泥を、インド洋東部で東京大の加藤泰浩教授(地球資源学)らの研究チームが発見した。レアアース泥が太平洋以外で見つかったのは初めてで、世界の海洋に広く存在する可能性が出てきた。

 海底のレアアース泥は、同チームが日本の排他的経済水域(EEZ)内の南鳥島沖などで発見し、資源化を目指している。海洋に普遍的に存在すれば、レアアースの世界産出量の9割を占める中国の影響力が将来的に弱まる可能性がある。

 新たに見つかったのはインドネシア・ジャカルタ西方沖約1千キロのオーストラリア領周辺海域。国際共同研究などで採取された掘削試料を分析したところ、水深5600メートルの海底下75〜120メートルの場所に最高1113ppm、平均約700ppmのレアアースを含む泥の層があることが分かった。

 太平洋と比べて深い場所にあり採掘は難しいが、濃度は東太平洋とほぼ同等で中国の陸上鉱床の数倍。特に希少なジスプロシウムなどを豊富に含むという。

 レアアース泥は、地下深部のマントルが上昇する中央海嶺(かいれい)から噴出する酸化鉄などが海水中のレアアースを吸着し、周辺に堆積して形成される。今回の発見場所では、中央インド洋海嶺などの活動に伴い堆積したとみられる。加藤教授は「太平洋だけの特殊な泥ではないことが分かった意味は大きい。他の海域で開発可能な鉱床が見つかる可能性がある」と話している。

 レアアースは17種類あるが、多くの種類が含まれている鉱石からレアアースを分離・回収するには、特殊な樹脂を用いるなど手間と費用がかかるのが課題だったが高橋嘉夫広島大教授(環境化学)は「大部分が捨てられているサケの白子を使えば、低コストで効率的に分離・回収する手法を開発、環境にもやさしい」と話している。

<レアアース・レアメタルとは>
リチウム、ベリリウム、ホウ素、希土類(スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム)、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、ガリウム、ゲルマニウム、セレン、ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、インジウム、アンチモン、テルル、セシウム、バリウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、白金族、タリウム、ビスマスを指す。