鹿児島県立大島病院：価格漏洩・逮捕者２名！

入札妨害逮捕・１２年ぶり県職員逮捕！

　鹿児島県で、県立病院が発注する公共工事の入札価格に関する情報を漏らしたとして、６月８日夜、県職員の男などが逮捕された。

　官製談合防止法違反の疑いで逮捕されたのは奄美市名瀬小俣町の県大島支庁職員・秋山秀三容疑者（４９）、競売入札妨害の疑いで逮捕されたのは奄美市名瀬平田町の建設会社「前田建設」社員・中屋博樹容疑者（４５）。警察の調べによると、秋山容疑者は県立大島病院の総務課に勤務していた１１年１１月上旬頃、大島病院の発注する公共工事に絡み、入札の最低価格に関する情報を中屋容疑者に教え、公正な入札を妨害した疑いが持たれている。

　鹿児島県立大島病院（奄美市）の工事入札に関する情報を漏らしたなどとして、８日に県職員が逮捕された事件で、県警は８日夜から９日正午にかけて、４０人態勢で関係先を家宅捜索した。

　県警は２日間で計１０カ所を家宅捜索し、パソコンや会社の帳簿など約３００点を押収。今後、押収品を分析するなどして詳しい経緯や組織的関与がなかったかを調べる。

　県人事課によると、秋山容疑者は１９８２年に県庁に入り大島支庁に配属。その後、本庁などにも勤めたが、９２年に大島支庁に戻って以降は大島病院、大島支庁瀬戸内事務所など、奄美大島内で出向や異動を繰り返した。大島病院には２００８年に２度目の出向。県立病院局によると、修復などの工事の入札に関わったのは、２００９年４月～今年３月という。

　入札には奄美市内の数社が参加し、中屋容疑者が勤務する会社が落札して、工事はすでに完了している。入札は、断熱材やサッシなどの工事で、数千万円規模とみられる。秋山容疑者は最低制限価格につながる情報を漏らしとされる。同価格に最も近い同社が落札した。

　県警捜査２課が県職員を逮捕したのは２００１年４月に収賄容疑で当時の大根占土木事務所技術主査が逮捕されて以来１２年ぶりとみられる。