2013.06.25.

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「関門新ルート」構想:彦島−小倉間が有力!

調査費3千万円を計上・山口県!

総事業費は併用橋で2千億円強!


 福岡県の小川洋知事は6月17日の県議会本会議で、北九州市と山口県下関市を結ぶ新たなルート構想について「今後、具体化に向け必要な調査を行うよう国に働きかけをしていく」と述べ、計画推進の考えを示した。

「既存の2つの道路は同じ場所を通っており、大規模災害などで同時遮断される恐れがある」と指摘。その上で「新たな道路が開通すれば地域交流が活発となり、両市が一体的都市として魅力を向上させられる」とし、関門新ルートは、両市の中心部を、30分程度で結ぶ構想。関門橋と関門トンネルに続く「第3の道路」となる。地元自治体などによる「関門海峡道路整備促進期成同盟会」や、経済団体中心の「関門海峡道路建設促進協議会」など推進団体も結成されている。

 九州と本州の大動脈である関門鉄道トンネルと国道トンネルの老朽化が進む中、「関門新ルート」構想が本格的に動き出した。山口県下関市彦島−北九州市小倉北区間(約2・5km)を結ぶルートが有力。山口県は平成25年度予算で調査費3千万円を計上、福岡県など他自治体や地元財界も実現に向け、動きを加速している。

 関門新ルートは、関門海峡の下関市彦島迫町と北九州市小倉北区西港町付近を結ぶルートが有力となっており、道路と鉄道の併用ラインを建設する案を軸に検討を進めている。

 関門橋と同様につり橋にする案と、「ボスポラス海峡横断鉄道」(トルコ)と同じ方式の沈埋トンネルにする案の2つがあり、総事業費は併用橋で2千億円強、沈埋トンネルで1千数百億円が見込まれるという。

 山口県の山本繁太郎知事は昨年7月、新ルート建設推進を公約に掲げ、初当選。25年度予算に調査費3千万円を計上した。

 これを受け、福岡県の小川洋知事は今月17日、同県議会で「具体化に向け必要な調査を行うよう国に働きかけをしていく」と明言。北九州市の北橋健治市長も14日に「国の責任で建設することが重要だ。政府に要請していく」と述べた。

 地元財界の動きも活発化している。九州経済連合会(九経連)、中国経済連合会(中経連)などが結成する「関門海峡道路建設促進協議会」は昨年9月、関門新ルートの早期実現を求める要望書を国土交通省に提出した。

 協議会は7月26日に総会を開き、新ルート具体化に着手する方針。九経連の麻生泰会長は8月にも、安倍晋三首相らに実現を要望することを検討している。

 
現在、九州−本州間の大動脈として関門海峡には、4ルートがある。
▽関門国道トンネル(国道2号、3・4km)
▽関門鉄道トンネル(JR山陽線、3・6km)
▽関門橋(高速自動車道、1・1km)
▽新幹線トンネル(18・7km)

 ただ、関門鉄道トンネルを除くと、既存路線は、下関市壇之浦町と北九州市門司区和布刈(めかり)地区の間を通る早鞆瀬戸水道と呼ばれる海峡最狭部に集中し、出入り口は下関、北九州両市の中心部から大きく外れる。

 また、鉄道トンネル(昭和17年完成)は、漏水が1日600トンに上るなど老朽化が著しい。国道トンネル(同33年完成)も老朽化が進み、補修工事による長期間の通行止めをしばしば実施。片側1車線なので許容量も限界となっており、事故の危険性もある。

 このため、この2ルートに代わる新ルート構想は、同60年に地元自治体や財界を中心に浮上、以来研究・調査を続けてきた。

 政府は平成10年、関門海峡など6海峡に横断道路を造る海峡横断プロジェクトを策定し、閣議決定。その後、交通量や地質の調査を実施し、12年には彦島−小倉ルートを有力とする暫定報告書をまとめた。ところが、政府は20年3月、公共事業見直しの中で他の海峡横断プロジェクトとともに関門新ルートを白紙撤回した。

 それだけに地元自治体や財界は「安倍政権は構想を実現する最後のチャンス」として26年度予算での調査費計上に向け、働きかけを強める構えだ。