輸出数量：14カ月ぶりプラス・貿易赤字は続く！

貿易赤字は１兆２４０億円！

　財務省が８月19日発表した7月の貿易統計速報は、輸出が数量ベースで前年同月比1．8％増と、14カ月ぶりにプラスに転じた。日本の製造業はこれまで円高による輸出低迷に苦しんできたが、2012年11月から進んだ円安の効果がようやく表れ始めた可能性がある。　

　財務省が１９日発表した７月の貿易統計速報（通関ベース）によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は１兆２４０億円の赤字だった。１３カ月連続の赤字で、７月としては比較可能な１９７９年以降で最大。円安に伴い、火力発電用の液化天然ガス（ＬＮＧ）や原油などの輸入額が押し上げられ、赤字幅が前年同月の１．９倍に膨らんだ。

　輸出は前年同月比１２．２％増の５兆９６２０億円で、５カ月連続の拡大。数量指数ベースでも１．８％増加し、円安を追い風に１４カ月ぶりに前年比プラスに転じた。

　米国や中東向けの自動車輸出が好調だったほか、プラスチックなどの原料となる有機化合物も伸びた。

　輸入は１９．６％増の６兆９８６０億円と９カ月連続で前年同月を上回った。猛暑で冷房など電力需要も増加し、原油が３０．２％、ＬＮＧが１６．９％とそれぞれ大幅に膨らんだことが響いた。また半導体などの電子部品や衣類、欧州からの自動車輸入の増加も目立った。