2013.08.30.

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熊本・高野病院:プロポは共同建築設計・コンテンポラリーズJV!

 6月28日に「くまもとアートポリス・高野病院新築設計業務」のプロポーザルが公告され、くまもとアートポリス「高野病院新築設計業務 公募型プロポーザル」を実施します!

2013年6月28日

【公募型プロポーザル概要 (設計者選定)】

 (1) 名   称:  高野病院新築設計業務公募型プロポーザル
 (2) 主 催 者:  熊本県、医療法人社団高野会 高野病院
 (3) 選定方式: 公募型プロポーザル

 今回、くまもとアートポリスの理念や新テーマの「自然に開き、人と和(わ)す」に賛同し、
くまもとアートポリスプロジェクトに参加することとなりました。私共と共に新病院創りに取り組んで戴く力強い協力者である設計者を広く求めるため、公募型プロポーザルを実施します。

【「高野病院新築設計業務 公募型プロポーザル」二次審査結果】
 一次審査通過者4者によるプレゼンテーションと審査員による質疑を公開の場において実施しました。

 日時 : 平成25年8月20日(火曜日) 午前10時から午後3時まで
 会場 : ホテル熊本テルサ 3階 たい樹 熊本市中央区水前寺公園28−51

【二次審査結果】
最優秀賞  共同建築設計事務所+コンテンポラリーズ

佳 作  株式会社 内藤建築事務所 九州事務所
佳 作  株式会社 岡田新一設計事務所
佳 作  久米・シーラカンスK&H設計共同企業体


【二次審査講評について】
2013年8月29日

高野病院公募型プロポーザル二次審査講評

 くまもとアートポリス初となる民間プロジェクト公募型プロポーザルの公開審査会場には、県内外から大勢の建築関係者や病院関係者の方々に参加いただきました。一次審査を通過した4組のプレゼンテーションと質疑応答を長時間にわたり最後まで熱心に見守っていただきましたことに深く感謝いたします。 二次審査では、各発表者の方々に大きくて精密な模型を準備していただきましたので、一般の方々にも全体像のイメージが大変わかりやすいものになったのではないでしょうか。模型製作を含めて短期間の中でのプレゼンテーションの準備には随分ご苦労されたことと察します。

 審査は、様々な視点からの長時間にわたる議論の末に、全員一致で最優秀案として「共同建築設計+コンテンポラリーズ」の提案を選出することにいたしました。

 次点の優秀賞については、各作品とも甲乙つけがたく、該当なしとし、何かあった場合には、再度審査会を開催して協議することになりました。

 最優秀案に「共同建築設計事務所+コンテンポラリーズ」の提案が選ばれた要因は、高野病院の想定より建物の高さは低いが、それを超える様々な素晴らしい点があるということでした。

特に、構造の考え方、病室の計画(準個室化の4人部屋)、全体に1層2層の階高を高くして、その下に増築が可能であるということなどであります。今後の病院との打合せによって上層部に積み上げられる可能性についても話し合われました。プレゼンテーションからうかがえる情熱あふれる取り組みの姿勢が審査員の好感を得たようにも感じられました。最後まで問題となったのは、3つの看護体制を一つのフロアーにまとめていることへの疑問でありました。看護体制の分離を階層処理で解決すること含めて、今後の重要な協議課題になることを前提に最終案に推すことにいたしました。

 「久米・シーラカンスK&H設計共同企業体」は、アプローチや受付まわりの計画が練られており病院に入りやすく、4層構成の「レジデンス型ホスピタル」というかたちの病院を提案している。落着きのある優れた計画案であるとの意見がありました。しかし、3階4階部分に中庭を介して病室が対面する計画は一般的にプライバシーの面から好ましくないとの指摘があり、エレベーターやナースステーションの配置を含めて、看護体制面からの問題点も論議の対象となりました。中庭型の病室構成を変えれば、この魅力的な提案の基本的な概念が崩れかねないということになりました。

 「株式会社 岡田新一設計事務所」の提案は、8階で建物も高く、平面プランも大変シンプル且つコンパクトな計画でありました。コンパクトにまとめることで、大きな「もやい広場」や隣接病院との連携を想定した2階デッキを提案されており、他の案にはない発想を感じました。その反面、1、2階の平面計画に無理が生じているとの意見が聞かれ、外部にも開放される広場の活用に疑問も残りました。病室階はスタッフステーションからのケアしやすい形式となっておりましたが、病室自体の魅力に欠けるとの意見が聞かれました。

 「株式会社 内藤建築事務所 九州事務所」の提案は、病院の要望に沿った7階建ての構成となっておりました。「自然に開き、人と和す」というアートポリスのテーマを積極的に取り入れようとする木のモチーフや病室階のデイコーナーの設置が目立つ提案でありました。南側道路に面する部分の段状セットバックと屋上リハビリ庭園部分の活用についての説得力が欠けるのではないかという意見がありました。また、病室階を階ごとにねじったことの効果が疑問視されました。また、それが内部の構造や病室計画によい影響を与えないのではないかという意見交換がなされました。

 最後になりましたが、くまもとアートポリスは次世代の新しい建築の可能性をみんなで考えていくために、今後も妥協することなく努力することを誓いまして講評とします。応募くださった方々、公開審査に参加くださった方々に御礼申し上げます。

くまもとアートポリスコミッショナー  伊東豊雄