2013.09.08.

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焼却炉等の窒素酸化物:触媒なしで除去できる!

プラズマ装置開発!

神原岐阜大教授が学会業績賞!


 岐阜市の岐阜大学大学院工学研究科の神原信志教授(51)=化学工学=が、廃棄物の焼却炉などから発生する排ガス中の窒素酸化物を触媒を使わずに除去できる新装置を開発した。触媒を使う装置の約5分の1のコストで劣らぬ効果が期待できるのが特徴。実用化に結びつけたとして日本機械学会から環境工学部門で研究業績賞が贈られた。

 窒素酸化物は光化学スモッグや酸性雨の原因物質で、健康や環境に悪影響を与えるため、法で濃度が規制されている。ごみ焼却施設などをつくる際、自治体や業者が住民とより厳しく濃度を縛る協定を結ぶケースも増えており、除去が課題となっている。

 窒素酸化物はアンモニアと結びつくと無害な窒素や水素に還元される。この還元反応を起こすには約900度の高温が必要だが、通常の焼却炉は約150度不足。このため炉の出口付近に設置する窒素酸化物の除去装置に反応を促す触媒として白金やニッケルなどの希少金属が使用されるが、高い交換コストがネックとなっていた。

 新装置ではアンモニアをプラズマに通すことで分子構造を破壊した不安定な分子(気体)を生成。これを炉の中に吹き込むことで、従来より低い約500度以上で還元反応が始まるようになる。神原教授は、石川県の焼却炉メーカーや群馬県の電機会社との共同開発で、新装置を構成する蛍光灯のようなプラズマ発生装置と弁当箱大の小型電源をほぼ完成。昨年12月から4カ月間、岡山県の下水汚泥の炭化炉に据えて実証試験を行い、触媒を使う従来装置並みに窒素酸化物の9割を除く効果を確認できたという。

 新装置はごみ焼却に限らず小型炉から中型炉まで設置可能。約1年後の商品化を目指しており、神原教授は「低コストで導入しやすく、中小企業や自治体の環境対策の進展が期待できる」と普及を期待した。