2014.01.12.

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コストが安く・地震に強い:石炭の発電が再び脚光!

 


 東京電力は2013年11月29日、福島県のいわき市と広野町に世界最新鋭となる石炭火力発電所を1基ずつ建設すると発表した。発電量は合計100万kwで、原子力発電所1基にほぼ相当する規模となる。

 この発電所は「石炭ガス化複合発電(IGCC)」と呼ばれる仕組みを採り入れる。まず石炭を可燃性ガスに変え、それを燃やしてタービンを回す。さらに、ガスを燃やすことで発生した熱も利用して水を沸騰させ、蒸気で別のタービンを回す。つまり、ガスと蒸気を使って「ダブル発電」をするのだ。通常の石炭火力は蒸気しか使わないので、「IGCC」は発電の効率が高くなる。わかりやすく言えば、「非常に燃費がいい車」のようなものだ。

 東電の新しい発電所は、2020年代の初めに運転を始める見込みだ。東電は、建設をはじめ1日あたり最大2千人の雇用が生まれることなどで福島県内の経済効果は1500億円に達するとしている。

「エネルギー需要や被災地の復興を考えても、着工の前倒しが最大の急務だと思っています」(東電幹部)

 すでに「IGCC」は、国内で1基が商業利用されている。東電や東北電力などが出資する常磐共同火力の勿来(なこそ)発電所(いわき市)にある10号機だ。発電量25万kwで、昨年4月に運転が始まった。その8カ月後には、連続運転時間でオランダの発電所が持つ世界記録を大幅に更新する3917時間を達成した。



クリーンコールパワー研究所・IGCCの特徴より

・機器構成:ボイラ+蒸気タービン+ガスタービン+ガス化炉
ガス化炉内で石炭をガス化し、燃料ガスを発生させます。この燃料ガスをガスタービンに導き、燃焼させることにより、ガスタービンを回します。さらに高温の排ガスをボイラに導いて蒸気を発生させ、蒸気タービンを回します。

○メリット1 発電効率の向上と地球温暖化対策
 固体の石炭をガス化することで蒸気タービンにガスタービンを組み合わせた発電ができるため、従来の石炭火力の発電効率約42%に対して商用段階のIGCCでは48〜50%の発電効率が見込まれます。これにより石油火力とほぼ同等のCO2排出量で石炭利用発電が可能となります。

○メリット2 適用炭種の拡大
資源量が最も豊富な石炭の利用技術であり、従来の石炭火力では利用が困難な灰融点の低い石炭に適合するため、わが国全体の利用炭種の拡大が可能となります。

○メリット3 大気環境特性
固体の石炭をガス化することで蒸気タービンにガスタービンを組み合わせた発電ができるため、従来の石炭火力の発電効率約42%に対して商用段階のIGCCでは48〜50%の発電効率が見込まれます。

システムの高効率化により、発電電力量(kWh)あたりのSOx、NOx、ばいじんの排出量が低減できます。

○メリット4 スラグの有効利用
従来型石炭火力では、多量の石炭灰が発生しますが、IGCCではガラス状のスラグとして排出されるため容積がほぼ半減できます。

またスラグは、セメントの原材料や路盤材等としてリサイクルが可能です。

○メリット5 その他特性
・温排水の低減
IGCCはガスタービンを用いたコンバインドサイクル発電なので従来の石炭火力に比較して温排水量を約3割低減できます。

・用水使用量の低減
従来の石炭火力の排煙脱硫装置は、燃料を燃やした後の排ガス段階でばい煙処理を行うので、多量の用水が必要でしたが、IGCCは燃料ガス段階で処理を行うので用水使用量を大幅に低減できます。