2014.01.15.

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道路や下水:老朽インフラ総点検自治体に要請へ!

道路や下水:老朽インフラ総点検自治体に要請へ!

インフラ更新費・10年後に現状の4割増!


 政府が2014年度、全国の地方自治体に対し、道路や橋、公共施設などインフラ(社会資本)の老朽化に対応するための計画を策定するよう求めることが1月13日、分かった。

 学校や庁舎など「ハコモノ」の現状調査は、100を超す自治体で実施されているが、道路や橋、トンネル、上下水道などの基盤設備を含む老朽化の全国的な実態把握は初の試みとなる。

 12年12月に起きた中央自動車道笹子トンネル(山梨県)での天井板崩落事故を契機に、老朽インフラ問題への関心が高まったため、政府は対応策を検討してきた。総務省が今月にも全ての自治体に「公共施設等総合管理計画」を策定するよう通知する。

 計画は、原則全てのインフラを対象に、
〈1〉長寿命化を図るための補修などの維持管理策
〈2〉更新が必要になる時期と費用
〈3〉建て替え(更新)や廃止、統廃合などの将来的な方向性
――などを記載する。

国と自治体が管理するインフラは、10年度末時点で2m以上の橋が約67万本、下水道が約42万kmなどと膨大で、政府は点検や計画策定に必要な費用を支援し、2年間程度での作業終了を目指す。インフラの材質や面積、耐用年数などの正確な把握が前提となるため、総務省で「固定資産台帳」の新たな統一基準を作る。

 道路や港湾、空港などインフラ(社会資本)の維持管理・更新に必要な費用が10年後の2013年度には年間で最大約5兆1000億円に上る見通しであることが、国土交通省が行った推計で明らかになった。

 2013年度の維持管理・更新費は3兆6000億円で、約4割増に拡大する見込みだ。インフラの老朽化は社会的に関心が高まっているが、対策の進め方については慎重な検討が必要だ。

 推計は国交省の審議会がまとめた答申に盛り込まれた。国や地方公共団体などが管理する道路や下水道、公営住宅、官庁施設など10分野を対象に、過去の維持管理・更新実績などを踏まえ、将来必要とされる費用を算出した。

 それによると、10年後の維持管理・更新費は年間4兆3000億〜5兆1000億円にのぼる。さらに20年後の2033年度には、4兆6000億〜5兆5000億円に膨らむとしている。

 ただ、社会保障費が膨らみ、国や地方自治体がそろって厳しい財源問題に直面する中、10年後に現状の4割増というインフラの維持管理・更新費負担に耐えられるかは見通せない。実際に必要な費用が5兆円台としたら、現状の公共事業費にも匹敵する規模であり、現実性の乏しい支出であるともみえる。

 審議会の答申では「必要となる予算の確保に十分な政策的対応を図るべきだ」などとし、老朽化対策には財源面で万全を期すよう求めた。一方で、施設の長寿命化への取り組みなどを進めることも必要だと指摘。さらに、「今後の都市、地域の構造の変化に対応して施設の必要性自体を再検討するなど、効率的・効果的な維持管理・更新を図るべきである」などとして、さまざまな見直し作業を求めている。