2014.02.14.

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米国立研究所:核融合エネルギー実験・画期的な前進!

発火状態に到達する可能性!

投入燃料より大きな量のエネルギー!


 米エネルギー省のローレンス・リバモア国立研究所の科学者らが、核融合プロセスのエネルギー取り出し実験で画期的な前進を遂げたことが明らかになった。実用化されれば低コストの無限のエネルギー源となるとみられている。

 この実験は昨年秋に成功していたもので、この研究を率いる同研究所の物理学者オマー・ハリケーン氏が12日発売の英科学専門誌ネイチャーに発表した。小さな豆粒大の物質に世界で最も強力なレーザー光線を照射した結果、わずか数分の1秒という短い時間であったものの、膨大なエネルギーを放出する核融合反応を起こすことに成功し、その過程で星のミニチュアが形成されたという。

 ハリケーン氏は、このプロセスで「投入燃料より大きな量のエネルギーを発生させることに初めて成功した」と話した。

 この実験結果は、核融合反応が自律的に継続し、投入燃料を上回るエネルギーが得られる「発火」というような実用的段階に到達するまでにはまだほど遠い一歩だ。今回の実験ではレーザーからのエネルギーの多くは途中で放散されてしまい、燃料物質に到達しなかった。しかし、この実験が長く停滞していただけに、今回の結果は米国の核融合プロジェクトを前進させるものだ。

 英国のカルハム核融合エネルギーセンターのディレクターでこの研究には加わっていないスティーブ・カウリー氏は、ローレンス・リバモア研究所のレーザー規模で「発火状態に到達する可能性があることをこの実験結果は示唆している」と述べた。

 現在の原子力発電所は、原子核が分裂する過程でエネルギーを発生する「核分裂」により電力を得ている。「核融合」では複数の原子核が超高温と高圧の下で融合しその際にエネルギーを発生させる。

 核融合の発する膨大なエネルギーは、それを利用して1950年代に初めて製造された水素爆弾で知られるようになった。しかし、この核融合を発電で平和利用するのは、技術的により難しく、一部の科学者はその難しさを単に「難しい」との言葉では表せないと指摘する。

 ただ、核融合はこれまでの人知の限りでは、燃料を自然物質から取り出すのが簡単ながら最も効率的にエネルギーを生み出せる上、有毒核廃棄物や炉心溶融といったリスクがほとんどない事から研究実験が継続している。