2014.03.20.

アクセスカウンター
着物買取着物買取カラコンブランド買取

佐賀県発注工事:「不調・不落」が2.6倍・168件!

経費高騰「利益出る仕事選ぶ」!


 佐賀県や市町が発注する建設関連の公共事業で、「不調・不落」が13年度、210件発生し、12年度(約100件)の約2倍になった。県発注分の不落が目立ち、前年度の約2・6倍に急増。一方、市町発注分は一部を除いて例年並みの水準だった。

 内訳では、県発注の工事が最も多く、クリーク防災事業など168件(2月末時点)。既に12年度の64件を大幅に超えており、多くが14年度に繰り越される見込みとなっている。次いで佐賀市の23件(前年度比2件増)、唐津市の6件(前年度比3件減)となった。町では玄海町の4件(前年度比4件増)が最も多かった。

 16市町で不調・不落はゼロ、もしくは1件にとどまっている。2年続けて不調・不落がゼロとなる見込みの鳥栖市は「予定価格を事前公表するなど、県とは入札方法が違うことも影響しているのでは」(契約管財課)と分析する。

 業界関係者は「(市町発注分は)地元の中小業者が積極的に仕事を取りに行っている」とみている。

 「人と機材は限られ、既に目いっぱいの状態。受ける仕事は精査せざるを得ない」。県内でも急増している公共事業の不調・不落。長年の公共事業減でやせ細った建設業界に訪れた久々の活況だが「きちんと利益が出る仕事を選んでいる。企業として当たり前」。苦境続きの地域の中小業者は、バブルにも似た活況を冷静に見つめて対応している。

 国の統計によると、県内の建設業の従業員数は05年の4万712人が、2010年には3万4221人に減った。公共事業が減り続ける中、業者は、機材、土地などの資産売却やリストラで生き延びてきた。

 県中部のある建設業者は「(民間工事などの)実勢価格を考慮して予定価格を引き上げれば、大半の工事は落札されるはず」と言い切る。不調・不落となった工事は「もうけにならない仕事」ということだ。

 県内の大手建設会社によると、資機材のレンタル料や下請け会社への人件費などは約2割増、3割以上値上げされたケースもある。現場では「売上増でも追いつかないぐらい仕入れが上がっている」との悲鳴が上がる。

 県も公共事業費の積算に使う人件費や資材の単価見直しを進めているが、「(入札が不調に終わる状況は)この先、2〜3年は続くだろう」とみる業者も居る。5年、10年単位での公共工事の見通しが示され、市場価格に則した予定価格の積算ができるのか。見通しのつかない業界で、設備投資や技術者確保を急ぐ必要があるのか、地場業者は冷静に見つめている。