2014.03.31.

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上天草市:大道港浮き桟橋・贈収賄の疑いで逮捕!

市内には大きな業者が少ない!

起こるべくして起きた事件!


 上天草市発注の港湾関連工事の指名競争入札で、指名に便宜を図った見返りに賄賂を授受したとして、熊本県警捜査2課と上天草署などは3月25日夜、収賄の疑いで市の前建設部長、楠本金生容疑者(60)=同市龍ケ岳町、贈賄の疑いで建設会社吉田組(天草市有明町)の自称元役員、吉田好美容疑者(67)=天草市有明町=を逮捕した。

 県警によると、楠本容疑者は建設部長だった2012年4月から今年2月末まで、入札の指名業者の選定業務を担当。昨年10月31日入札の上天草市龍ケ岳町の大道港浮き桟橋整備で、指名前の同年5月ごろ、市外業者の吉田組を指名業者に加えるなどの便宜を図る見返りに、同市松島町内で現金数十万円を受け取った疑い。吉田容疑者は楠本容疑者に現金を渡した疑い。
 
 県警は25日午後、楠本容疑者と吉田容疑者に任意同行を求め、取り調べていた。両容疑者の認否について、県警は「捜査に支障がある」として、明らかにしていない。

 楠本容疑者は今年3月1日付で建設部長から総務課付に異動。市は「病気入院中で議会対応が困難」と理由を説明。3月末に退職予定だった。

 上天草市発注工事をめぐる贈収賄事件で、捜査の的になった同市龍ケ岳町の大道港浮き桟橋。市議会では2013年10月の落札直後から、業者指名の不透明さ、高い落札率な

どを問題視する声が噴出。市内の建設業者にも「なぜ市外業者に指名が偏るのか」と不満が渦巻いていた。

 3月26日午後、非公開であった市議会の全員協議会。市議らは「市と業者の関係を一から見直すべきだ」など、川端祐樹市長ら執行部の姿勢をただした。

 工事は、浮き桟橋老朽化による維持費増を理由に、桟橋本体と連絡橋を新設する。国の交付金約7億円の一部を使い、3月中の完成を見込む。

 2013年10月の入札は、市外と市内業者が1社ずつペアになる八つの共同企業体(JV)が参加した。贈賄容疑で元役員が逮捕された吉田組(天草市)と市内業者が組んだJVが落札し、予定価格に対する落札率は97・38%だった。

 この請負契約を審議した11月の臨時議会。市議3人が、この入札に絡む贈賄容疑で逮捕された楠本金生建設部長(当時)ら指名委員会のメンバーを追及。「市外業者をJV指名するのはなぜか」「市外業者が絡む入札は、(落札率が)ほとんど95%を超えている」。市側は「市の基準に基づき、施工能力上位の業者を天草管内から選んでいる」などと答えるにとどまった。

 吉田組の指名、受注について、質問した市議の一人は「市内には大きな業者が少ないため、市外の業者に狙われている。上天草市で工事を取るため、支店や営業所を構える業者が増えた」と指摘する。

 吉田組もその一つ。2012年12月、同市姫戸町に支店を開設。10〜13年、受注した市発注工事は4件だが、容疑となった浮き桟橋が2億円超、浄水場土木工事約3億6千万円など大型工事を含み、総額は7億円を超す。

 この浄水場をめぐっては11年、関連6工事の入札に絡む談合情報が寄せられ、市が入札を中止。業者から聞き取りの上で実施するなど、混乱が続いた時期もある。

 同市に本社を置く建設会社幹部は「川端市長が当選した選挙で、落選候補を応援して指名から外されるようになった」という。「大型工事は市外業者が持っていく。落札業者があらかじめ決まっているようなもので、政治的な意図を感じることもある」と不満を漏らす。

 地元業者の窮状を踏まえ、上天草市建設業協会は昨年7月、2社JVを地元3社JVにして参加機会を広げる配慮などを市に求め、要望書を出した。しかし、市は明確な回答を示さぬままだ。地元業者や市議会のなかには「今回の事件は起こるべくして起きた」との声もくすぶる。