官製談合容疑:南島原市長・副市長ら７人逮捕！

上手に逃げた業者は！

　長崎県警は５月２０日、同県南島原市発注の工事を巡る官製談合防止法違反容疑などで、①同市長、藤原米幸（６７）②同副市長、永門末彦（６８）の両容疑者と、受注した福岡市の③「隔測計装」社長の西塔正典容疑者（５８）ら計７人を逮捕した。

　逮捕容疑は共謀して、南島原市が２０１２年６月２８日に執行した「下宮中継ポンプ場施設整備工事（電気）」の指名競争入札で、隔測計装長崎営業所に入札参加の業者選定などで便宜を図り、落札の下限の最低制限価格に関する情報を知らせて落札させたとしている。入札には同営業所など１２社が指名され、同営業所が９９００万円で落札した。県警は７人の認否を明らかにしていない。県警は市長らが見返りを受け取っていなかったかも調べている。

　他に逮捕されたのは、南島原市の建設会社④「ナカムラ実業」社長の中村泰久容疑者（５２）とその⑤社員１人＝官製談合防止法違反容疑など⑥隔測計装の社員２人＝公契約関係競売等妨害容疑。

　発表によると、藤原容疑者らは共謀し、市発注の中継ポンプ場施設整備工事を隔測計装長崎営業所に落札させることを計画。同営業所が落札するのを承諾すると見込まれた業者を指名した上で、同営業所側に非公表の最低制限価格を類推できる金額を漏らし、２０１２年６月２８日に行われた入札で落札させ、公正な入札を妨害するなどした疑い。

　入札には１２社が参加し、同営業所が９９００万円（落札率約９３％）で１回目で落札。最低制限価格は約９６００万円だった。県警は２０日午後、市役所を捜索した。

　藤原容疑者は、旧有家町（現南島原市）職員から１９９６年に同町長選に初当選し、合併前の２００６年３月まで務めた。１０年４月の南島原市長選で現職を破り初当選。今年４月に無投票で再選した。旧８町合併による新市誕生以来３回目の市長選で、無投票は初めてだった。