2014.05.30.

尾上・上天草副市長が辞職：一身上の都合を理由に！

辞職理由は一連の中にある！


　上天草市は５月２６日、尾上徳広副市長（６１）が「一身上の都合」を理由に同日付で辞職したと発表した。詳しい理由は６月２日開会予定の市議会定例会で説明するとしている。

　尾上副市長は、１９７４年に旧龍ヶ岳町に採用され、２００４年に同町を含めた４町合併で誕生した上天草市では、農林水産課長、建設課長、建設部長などを歴任。１２年３月に退職し、同６月に副市長に選任された。

　同市では３月、市発注の浮桟橋整備工事を巡り、元建設部長が、入札参加への便宜を図る見返りに建設会社から現金を受け取った収賄容疑で逮捕された。尾上副市長は、工事の入札業者を選定した市建設工事等指名委員会の会長。市議会などでは、「指名業者は合議で決定する。個人の意向を反映するのは難しい」「選定に問題はなかった」などと釈明していた。

　市総務課によると、尾上副市長は、４月頃から川端祐樹市長に辞職を申し出ていたという。

　４月２３日の臨時議会で、工期を延長した契約変更の専決処分を不承認となったことで、川端祐樹市長、尾上徳広副市長を減給２０％３カ月の処分としたことが原因ではないか。



以下に、桟橋入札・贈収賄の事件経緯を掲載する。

★上天草市部長逮捕、市工事巡る収賄疑い
2014年03月26日
　熊本県上天草市の浮桟橋工事発注を巡り、便宜を図る見返りに現金を受け取ったとして、県警は２５日夜、同市龍ヶ岳町高戸、市総務課付部長・楠本金生容疑者（６０）を収賄容疑で、天草市有明町須子、自称元建設会社役員・吉田好美容疑者（６７）を贈賄容疑で逮捕した。
　発表によると、楠本容疑者は上天草市の建設部長だった昨年５月頃、市発注の大道港に浮桟橋や連絡橋を整備する工事の指名競争入札に絡み、入札参加への便宜を図る見返りとして、吉田容疑者から数十万円を受け取った疑い。
　市は昨年１１月、老朽化などを理由に、浮桟橋などの整備工事を吉田容疑者が役員を務めていた建設会社などの共同企業体に約２億３３００万円で発注。工期は今年３月２５日までの予定だった。


★上天草市贈収賄　市元部長ら起訴
2014年04月16日
　熊本県上天草市の浮桟橋工事発注を巡る贈収賄事件で、熊本地検は１５日、元市建設部長・楠本金生容疑者（６０）（３月末で定年退職）を収賄罪、建設会社「吉田組」元役員・吉田好美容疑者（６７）を贈賄罪で熊本地裁に起訴した。地検は認否を明らかにしていない。

　起訴状では、楠本容疑者は、市建設部長で市建設工事等指名委員会委員だった昨年５月１０日頃、市役所松島庁舎の駐車場で、浮桟橋整備工事の指名競争入札の参加業者の選定などで便宜を図る見返りと知りながら、吉田容疑者から無利息、無担保で６０万円を借り、賄賂を収受したとしている。


★贈収賄舞台の「浮桟橋工事」　契約変更の専決処分、上天草市議会不承認
2014年04月24日
　上天草市発注工事の指名競争入札をめぐる贈収賄事件を受け、同市議会は４月２３日臨時議会を開き、事件の舞台となった上天草港大道港区浮桟橋整備工事の工期を延長した契約変更の専決処分を不承認、変更に伴う予算の専決処分は承認した。川端祐樹市長、尾上徳広副市長を減給２０％３カ月とする条例案は可決した。

　総務省行政課によると、地方自治法の改正で、条例や予算に関する専決処分が不承認となった場合、自治体の長は必要な措置を講じなければならないとされている。市は契約変更の専決処分の効力は不承認でも失われない、としている。

　契約変更は３月３１日までの工期を４月２０日まで延ばし、一部の契約金額にかかる消費税増税分の約４００万円を追加する内容。執行部側は「くい打ち船の故障という事故のためで、消費税増額分は発注者の市が負担すべきと判断した」と説明した。議員からは「工期の遅れは業者の責任。消費税は業者側が負担すべきだ」「税金が使われるのは納得できない」などと批判が相次いだ。

　契約変更の専決処分に対する承認は８、不承認は９、予算の専決処分は承認１０、不承認７だった。川端市長は「通常の手続きに従って専決処分したが、理解が得られなかった」と話した。


以下は、平成２５年１１月６日に開かれた臨時議会の内容の一部である。暇な方は一読を。

＜平成２５年第６回上天草市議会臨時会会議録＞
日程第４ 議案第８０号 工事請負契約の締結について（上天草港（大道港区）浮桟橋整備工事）

○議長（堀江 隆臣君） 次に、日程第４、議案第８０号、工事請負契約の締結について上天草港大道港区浮桟橋整備工事を議題といたします。
提案理由の説明を求めます。

○市長（川端 祐樹君） 議案は、上天草港大道港区浮桟橋整備工事に関する工事請負契約の締結についての１件で、議会の議決を経る必要がありましたので、上程させていただいております。議案の詳しい内容につきましては、総務企画部長が説明いたします。

○総務企画部長（坂中 孝臣君） 議案第８０号、工事請負契約の締結について御説明申し上げます。上天草港大道港区浮桟橋整備工事について、次のように請負契約を締結するものでございます。

工事名、上天草港大道港区浮桟橋整備工事。工事内容は、浮桟橋一式、連絡橋一式。工事場所は上天草市龍ヶ岳町大道地区です。

工期は、平成２５年第６回上天草市議会の臨時会の議決の日の翌日から平成２６年３月２５日まで、契約金額は2億3,341万5,000円。契約の相手方は、上天草市姫戸町姫浦３３９４番地１、吉田・住吉特定建設工事共同企業体、代表者、株式会社吉田組上天草支店長吉田典子。契約の方法は指名競争入札です。

○１０番（島田 光久君） けさ、入札結果をもらってきて見たところですけれども、８社ほど指名されて電子入札されていると思うんですが、指名願いされているたくさんの業者がいらっしゃいます。この８組織の業者指名はどういう形でされたか。それと、（落札率）９７.３７から９９.２６までの入札結果になっております。入札結果が結構高い数字になっていると思うんですけれども、この辺の状況の中身を教えてください。

○総務企画部長（坂中 孝臣君） 入札につきましては、入札手続の透明性、公正性の確保、競争性の向上、入札参加者の負担の軽減及び入札契約事項の効率化を図るために、平成２４年６月から電子入札を実施してきたところでございます。

この電子入札の実施に伴いまして、条件付一般競争入札の実施要領を平成２４年の７月１日に制定し、試行的に工事３件を実施してまいりました。しかしながら、入札の参加者が平均４.６社と、指名競争入札の指名業者が現在の１０社程度よりも少ないところでございます。

このために入札の競争性の確保を含めて指名業者の施工における確実性、過去における工事の実績、会社の規模、経営状況を考慮しながら、今回指名競争入札で共同企業体の８社としたところでございます。

○１０番（島田 光久君） この８社が共同企業体を組んでおられますけれども、例えば、この中で親と子という分け方がなされていると思うんですけれども、この組み分けはどのようにされるんですか。


○総務企画部長（坂中 孝臣君） ＪＶの３カ所の選定基準でございますけれども、これにつきましては、上天草市の特定建設工事共同企業体の運用基準におきまして実施しております。市内業者の最上位の等級に属する者と、これに相当する市外に主たる営業所を有する者との組み合わせでございまして、工事施工が確実かつ円滑にできると認められる場合は、市内の業者の最上級同士の組み合わせとすることができますけれども、現在のところ共同企業体の運用基準第４条第１項及び第２項の規定によりまして、考慮して選考したところでございます。

○１０番（島田 光久君） ということは、市内の業者だけではこの基準から外れるというように理解するんですけれども、そういう説明ですか。例えば、ほとんど市外の業者が親になっているようなんですけれども、これはどうなりますか。例えば、市内の業者だけでＪＶを組んで、この工事を受注することは可能ですか。

○副市長（尾上 徳廣君） 島田議員の御指摘のＡ１業者の選定については、上天草市は、本社の県ランクのＡ１ランクなんですが、一級技術者を３名以上有している業者ということです。本社が１社、支店が１社、それと営業所が３社あります。それに満たない８社から１０社選定したいということで、天草管内からの県内のＡ１クラスを選んでおります。

○５番（田中 辰夫君） 私は、この桟橋をつくり変えることになった経緯内容を見てみましたけれども、鉄板関係の材料は特殊な材料が設計書に上がっており、それが、この工事期間内に搬入されて工事が終わるのか、少し心配しております。

入札の件につきまして、上天草市に本社がある工事につきましては、非常に厳しい入札の金額でほとんど最近はされていると思います。特に低入札関係が起こっております。それなのに、ＪＶ関係とか本社が上天草市にない場合の入札はほとんど９５％を超えて、今回も９７.３％という状況になっております。市当局の考え方、３点をよろしくお願いいたします。

○建設部長（楠本 金生君） 製作の経緯については、大道港の浮桟橋で、老朽化によりまして製作。これに対しては、維持管理の費用を相当要しておりますので、新しく製作するものでございます。工期につきましては、３月末までということになっており、これは浮桟橋と連絡橋を工場製作で同時に施工いたしますので、工期的には問題はないと思っております。

○副市長（尾上 徳廣君） 田中議員の入札率についてでございますけれども、我々執行部としては、（落札率）９５か６（％）というのが一番理想ではないかと思いますけれども、それぞれの業者の思いの中でこの入札率となっているところでございます。

○５番（田中 辰夫君） 老朽化という意味はわかるんですけれども、大道港のそこの桟橋も必要なんですけれども、上天草総合病院のところに桟橋がありますね。あれは救急艇が着けるようになっているんですけれども、そこの連絡橋が非常に悪い。

これをつくることによって、救急艇とかが非常の場合はそこに着くようにするのか、上天草総合病院の桟橋をなくすのか。上天草総合病院のところの桟橋の連絡橋は非常に老朽化しております。今後、この入札によってそこが廃止になるのか、新しくまたやり変える予定があるのかをお願いいたします。

○経済振興部長（川端 義孝君） 小屋河内漁港の桟橋の件ですけれども、確かに老朽化しておりまして、チェーンが切れたりして、毎回修理をやっている状況ですが、補助の事業としては現在のところ要望しておりません。

○５番（田中 辰夫君） その件について、病院の経営上も、特に御所浦関係の方が来られるとか、救急艇が着くという非常の場合があって、連絡橋などががたがたしていては、ぐあいの悪い人を乗せて通すのが非常に困難です。これは病院側としても本当は要求していいのではないかと思うぐらいなんですけれども、早急に対策をしていただきたいと思います。

○２番（切通 英博君） ３点ほど聞きたい。まず、この事業に関しては特に問題はありませんけれども、この予算は、２４年度の補正予算だと思うんです。自分が４月に議員になって、専決で何回かやられたという部分で。

先ほど部長から、工期は２カ所同時にするから大丈夫だということなんですけれども、ほとんどほかの市町村では、通常こういう2億円を超える工事は、補正ではやっていないのが通常です。ただ、補正予算は工期の延長ができない、来年の３月までに終わらないといけないということで、だからほとんど補正になってしまう。

法的問題、用地買収の問題等々がありますので。６月の定例、９月の定例、決算委員会等で、各議員さんが選挙をやられて当選してこられて、いろいろな要望が予算で却下された中で、わざわざ２４年度の補正でそういう緊急性があったのか。

当初の予算だったら全然問題ないと思うし、老朽化は先ほどの説明でわかるんですが、そういう緊急性があったのか。補正で組んで、わざわざコンサルに出して、設計、測量からやって、それから施行まで正月を挟んだら３カ月ぐらいしかないと思うんです。部長はその工期で間に合うということだったんですけれども、今度の補正はほとんど繰り越しができないと。職員をそこまで追い込んでこういう施工をするのかという部分です。

それと、先ほど指名等々であったところで、上天草市だけがコンサルと建築は一般的にあるんですけれども、支店は上天草だけなんです。そのあたりの支店の指名、先ほど何人からか答弁があったので、その辺を２点、答弁のほうをよろしくお願いいたします。

○副市長（尾上 徳廣君） 切通議員の御指摘の補正予算の件ですけれども、総合計画では、平成２６年度の事業で計画をしておりました。ところが、１２月ぐらいになって国の元気交付金が7億円ほど上天草に補正でつきました。それで、財政上鑑みて、前倒しで実施しようではないかということになりましたので、建設部と相談して、工期的に大丈夫なのかを確認して３月の補正で計上したわけです。本来なら御指摘のとおり大規模工事でございますので、当初予算に組むべき予算とは認識はしております。

○副市長（尾上 徳廣君） 支店のあり方は、やはり、先ほど答弁したとおり上天草市には本社が１社しかありません。その中で指定以外からやるようになった場合は、天草管内あるいは熊本県内から選定しなければならない状況でございます。ただし、今の営業所、上天草支店は、１級技術者３人以上を上天草市に住所を置いている業者でございます。
以上でございます。

○２番（切通 英博君） 今、副市長の言われたのは、若干ニュアンスが違うんです。県内で支店を指名に入れるのは上天草市だけだと言っているんです。調べてもらったらわかるんですけれどもね。ですから、その根拠は何かあるのかと。コンサルとか建築は別なんですけれども。それがどうのこうのではないんですが、それがあるのかないのか答弁をよろしくお願いします。

○副市長（尾上 徳廣君） その点は、熊本県内で上天草市だけかどうかをもう１回確認をさせて、後ほど切通議員には報告したいと思います。

○８番（��橋 健君） 建設部長にお尋ねいたします。総工事費が2億2,000万円とありますけれども、連絡橋と浮桟橋に係る総工事費の割合を教えていただいてよろしいでしょうか。

○建設部長（楠本 金生君） 済みません、割合はきょうは手持ちがないんですけれども、規格は書いて持ってきております。浮桟橋で１８メートルの――。

○８番（��橋 健君） 金額だけで結構です。わかったら教えていただければ。後でもいいですのでよろしくお願いします。
それと、もう１点です。この選定された業者さんが、総工事費の何割になるかわかりませんけれども、連絡橋、浮桟橋を直接つくられると考えてよろしいでしょうか。

○建設部長（楠本 金生君） 先ほど申し上げましたとおり、浮桟橋と連絡橋は工場製作ですので、一体で同時に発注したいと考えております。

○議長（堀江 隆臣君） 討論を終わります。
それでは、議案第８０号、工事請負契約の締結について上天草港大道港区浮桟橋整備工事を採決いたします。
本件は原案のとおり可決することに賛成諸君の起立を求めます。
［賛成者起立］

○議長（堀江 隆臣君） 起立多数です。よって、本件は、原案のとおり可決することに決定いたしました。これで、本日の日程は全部終了いたしました。
これをもちまして、平成２５年第６回上天草市議会臨時会を閉会いたします。

閉会 午前１０時２７分