2014.10.31.

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NASAロケット爆発:旧ソ連製改造のエンジン!

旧ソ連・40年以上前に製造!

米の宇宙輸送・揺らぐ信頼!


 国際宇宙ステーション(ISS)に物資を輸送する米民間ロケット「アンタレス」が28日の打ち上げ直後に爆発した事故で、旧ソ連が40年以上前に製造したエンジンを改造した第1段エンジン「AJ26」に何らかの異常が生じたとの見方が強まってきた。

 AJ26のもとになったのは、旧ソ連が1970年代前半に月探査用に約200基製造した「NK33」と呼ばれるエンジン。月探査計画の断念後はビニール袋に入れ、旧ソ連内に保管されていたが、米企業が90年代に約40基を購入して改造、アンタレスを開発、運用する米宇宙企業オービタル・サイエンシズ社に売り込んだ経緯がある。爆発したアンタレスには2基のAJ26が使われていた。

 爆発したロケット「アンタレス」は、NASAの委託を受けた米宇宙企業オービタル・サイエンシズ社が開発。専門誌によると、火を噴いたとみられる1段目のエンジンは、別の米企業がロシアから輸入したエンジン「NK33」に改良を加えたものが2基、搭載されていたという。

 NK33は、冷戦時代にソ連が米国と有人月面着陸を目指して激しく競い合っていた時代に開発された。米国が先んじたことから、ソ連の計画は中断。その後、ソ連は崩壊し、エンジンはロシアで保管されていた。90年代に、米企業が衛星打ち上げビジネスへの転用目的で輸入したという。

 米航空宇宙局(NASA)が打ち上げを民間委託した無人ロケットが爆発した事故で、火を噴いたエンジンが1970年前後に旧ソ連(現ロシア)で開発され、その後米国に輸入されたものだったことがわかった。爆発事故との関係は不明だが、エンジンを新型に切り替える検討も進んでいたという。

 今年5月、同型のエンジンが試験中に炎上するトラブルがあり、オービタル社は、新型エンジンの導入を早める検討を始めていたという。


■過去の主なロケット事故■

1971年 ロシアのソユーズ宇宙船、空気漏れで飛行士3人が窒息死

1986年 スペースシャトル・チャレンジャー、打ち上げ直後に爆発、7人死亡

2003年 スペースシャトル・コロンビア、帰還時に空中分解、7人死亡

2003年 情報収集衛星を載せた国産ロケット「H2A」、発射後に補助ロケット      分離できず機体爆破指令

2013年 航行衛星を搭載したロシアのロケット、カザフスタンの宇宙基地から      発射直後に墜落・爆発