上天草前副市長ら逮捕：入札で便宜！

見返りに中古車！

　熊本県上天草市の港湾改修事業を巡る指名競争入札で、便宜を図る見返りに車を受け取ったとして、県警は１１月９日、前副市長尾上おのうえ徳広のりひろ容疑者（６２）を事前収賄容疑で逮捕、測量設計会社「コンサルハマダ」（熊本市）の元社長浜田俊教容疑者（６９）を贈賄容疑で逮捕した。

　発表によると、尾上容疑者は２０１２年４月２０日～５月下旬、市発注の上天草港改修事業の設計業務に関する指名競争入札で、浜田容疑者から入札参加者として指名してほしいなどと依頼され、中古乗用車１台（約２００万円相当）を受け取った疑い。２人は容疑を認めているという。

　尾上容疑者は合併前の旧龍ヶ岳町職員で、１２年４月２０日に副市長になることが決まり、同６月１日に就任した。就任後、市発注工事の入札業者を選定する指名委員会の会長も兼務していた。

　問題の入札には８社が参加し、コンサルハマダが１７６０万円で落札。予定価格に対する落札率は９５・９５％だった。

　上天草市では３月に元市建設部長が収賄容疑で逮捕された。尾上容疑者は「事件を防げなかった」などとして、任期を２年残して今年５月に辞職した。

　県警は１０日、２人を熊本地検に送検した。