2014.11.22.

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中国の大気汚染:APEC終われば・汚染物質の拡大!

飛行機のフライトも“風”次第・北京市!

中国・肺がんなどで67万人が早死に!


 10月25日、中国の大気汚染は依然改善の兆しを見せておらず、北京青年報によると、23日〜25日にかけて北京・天津・河北エリアでは、地表面の風速は弱く大気は安定した状態で、気象条件は汚染物質の拡散にますます不利な方向に向かうと報じた。


 大気汚染に関して中国のデベロッパー「SOHO中国」の潘石屹(パン・シーイー)理事長は、自身の体験談をミニブログで紹介した。

 潘理事長は25日、「会議を終え飛行機で北京に帰った際、飛行機は(河南省)鄭州市に着陸した。私はなぜかと聞くと、客室乗務員は“北京周辺の大気汚染の影響で着陸できません”と答えた。さらにいつ北京に向け出発できるのかと聞くと、彼女は“1時間後に北京周辺の風向きが変わるとの予報なので、その時に出発します”と答えた」と、大気汚染の深刻さを表すコメントをつづった。


 11月5日、仏ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)によると、5〜11日の日程でアジア太平洋経済協力会議(APEC)が北京市郊外の雁栖湖で開催されるが、中国政府が打ち出した一連の対策にネット上では不満の声が高まっている。

 会議のテーマは「未来志向のアジア・太平洋パートナーシップを共に築く」。5〜6日に高官級会合、7〜8日に財務大臣会合、10日に首脳会合が行われる予定で、北京では6万人もの警察官を動員した警戒態勢が敷かれている。

 こうした安全対策によって、市民の生活は大きく影響を受けている。会社への出勤から事務手続き、郵便物、さらには観光や結婚など日常生活のあらゆる場面で不自由を強いられており、ネット上では不満を漏らす書き込みが増えている。

また、北京はたびたび微小粒子状物質(PM2.5)によるスモッグで真っ白に覆われていることから、大気品質を確保するため、工場の操業停止や自動車のナンバーによる交通規制のほか、郊外にある火葬場では一部業務を停止し、花輪などを燃やすのも午後7〜10時に制限されるなど、さまざまな対策が施されている。

 多くの人が不便を強いられており、ネット上には「スモッグのない青空は『APECブルー』とでも言うべきだ」「スモッグはコントロールできたんだな。一般市民の健康よりも政府のメンツの方が重要らしい」などとやゆする声が上がっている。


 清華大学の騰飛(テン・フェイ)副教授の指摘では、2012年中国における石炭の生産、使用による環境破壊及び健康被害は1トンあたり260元(約4800円)に達する。これは健康コストと石炭の採掘、輸送による環境破壊の2つの要素からなる。

 PM2.5(微小粒子状物質)吸引により引き起こされる4大疾病(脳卒中、肺がん、心臓病、慢性的な肺の疾病)が原因で67万人が結果として早死にしていると指摘した。

 2012年、中国人の70%が国の定めた大気健康基準の年間平均値を上回る35μg/m3の環境下で暮らしていることも調査によりわかった。世界保健機関(WHO)の勧告する同値は10μg/m3であり、2012年には1億5700万人の中国人が年間平均値100μg/立方メートル超の環境下で生活していたことになる。

 中国のエネルギーの70%は石炭に依存しており、根本的解決に向けた前途は多難だ。