2014.11.30.

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整備新幹線・試算:開業前倒しでJR利益6億円増!

経済波及効果は!

北海道で年21億5千万円!
北陸で年1億1千万円!
九州で年2千万円!


 国土交通省は11月19日、整備新幹線延伸3区間の開業を前倒しした場合、JR各社の収益が1年当たり合計約6億円増えるとの試算を明らかにした。同日開かれた整備新幹線に
関する政府・与党のワーキンググループ(WG)で示した。

 同省は試算に当たり、北海道新幹線新函館北斗〜札幌間を5年、北陸新幹線金沢〜敦賀間を3年、九州新幹線の長崎ルート武雄温泉〜長崎間を1年、それぞれ予定より開業を早めると仮定した。

 その上で、前倒しの場合と予定通りの場合と、開業後30年間を比較。早めた分だけ人口減少の影響が少ない前倒しの方が需要が多くなり、予定通り開業する場合に比べ、区間別では北海道が年5億3000万円、北陸が同3000万円、九州が同3000万円、収益が増えるという。 

 経済波及効果は観光産業への影響や、移動時間が短縮されることによる企業のコスト減などを計算した。前倒しによる経済波及効果は北海道で年21億5千万円、北陸で年1億
1千万円、九州で年2千万円だった。

 前倒しにより地域間の交流人口が増えると指摘。新幹線を運行するJR各社の収益は、前倒ししない場合と比べて、1年当たりでは約6億円増の約163億円になり、線路などの施
設の貸し付け期間にあたる30年間では177億円増の4881億円になるとした。前倒ししなければ1.12倍と見積もっていた投資効果も、北海道新幹線が1.19倍、北陸新幹線が1.18倍に改善するとした。

 一方、財源確保ではJR各社が将来支払う施設使用料(貸付料)の前倒し活用が有力だ。国交省は従来の試算では約2000億円としていたが、JR貨物に支払う助成金の計算方法を見直したり、現在は2%を前提とする金利を引き下げたりすれば、一定額を上積みできる可能性があるとした。

 政府・与党WGは年明けの15年度予算の編成過程で、具体的な前倒し期間などの結論を得る方針。