2014.12.06.

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海底熱水鉱床:沖縄本島北西沖で国内最大級の!

技術開発や生産コストに問題!


 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は12月4日、沖縄本島北西沖で国内最大級の海底熱水鉱床を発見したと発表した。同海域の海底で銅や鉛、金、銀などが含まれた鉱石が確認されたという。今後も調査を進め、金属の正確な含有量などを確認する。

 海底熱水鉱床は海底の熱水が噴き出す穴の周辺に鉱物が積もってできる。鉱物資源を輸入に頼る日本としては、国産資源の一つとして期待が集まっている。JOGMECはこれまでに沖縄本島北西や小笠原諸島周辺で調査を進めてきた。

 これまで確認されている日本近海の熱水鉱床は沖縄本島北西の「伊是名海穴」が最大で、340万トンの鉱石が眠る。うち1割に銅や金などの鉱物が含まれるという。今回発見されたのは同海穴から北に30kmほどの地点で、JOGMECは同規模の資源量が期待できるとしている。今回、南北に1km、東西に600mの広がりが確認された。


<JOGMEC発表>
2014年12月4日
 JOGMEC(本部:東京都港区、理事長:河野博文)は、沖縄海域で平成24年から継続して実施している地形調査、海底観察、サンプリング等によって、沖縄本島北西沖の伊平屋小海嶺周辺に海底熱水鉱床を発見しました。海底観察では、南北1km×東西600mの範囲(「野甫(のほ)サイト」と仮称)に、大小20個以上のマウンドと呼ばれる円錐状の高まりを確認しました。野甫サイト中央には最大規模の高さ約30m、直径約100mに及ぶマウンドがあり、銅、鉛、亜鉛、金、銀を含む海底熱水鉱床を形成しています。マウンド分布域の広がり(面積)は、伊是名海穴Hakureiサイトの海底熱水鉱床に匹敵します。今後、JOGMECは海底観察、物理探査、ボーリング調査等を行い、この鉱床の広がりや金属含有率(鉱石の品位)を把握し、資源量を評価する予定です。縄海域で大規模な熱水鉱床が見つかったのは、今回が2例目。


 「海底熱水鉱床」は地中深くにしみ込んだ海水がマグマなどに熱せられて、海底に噴出する際、噴出口の周りに銅や鉛、亜鉛、それに金や銀が沈殿してできた円すい形の地形です。

 今回見つかった「野甫サイト」と名付けられた場所には、20個以上の円すい形の地形が確認され、大きいものは直径100m、高さ30mある。

 これだけ大規模な「海底熱水鉱床」が見つかったのは、日本周辺では同じ沖縄沖で見つかった「伊是名海穴」に続いて2例目で、国産の鉱物資源の開発につながる可能性があるとして期待される。

 ただ、見つかった海底熱水鉱床からどのように金属類を採掘して引きあげるかといった技術開発の課題や、採算性の問題が残されており、今後、国とJOGMECはさらに研究を進めていくことにしている。