2014.12.14.

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ウクライナ原子炉停止:IAEAの要請で事実確認!

電気系統の故障!


 ウクライナ東部のサポロジエ原発で原子炉が停止したとの情報がまずマスコミに流れ、その後ウクライナ政権は国際原子力機関(IAEA)に対し、停止の事実を通報した。IAEAのウェブサイトが明らかにした。

 IAEAのサイトによれば、原子炉が停止したのはザポロジエ原発第3号炉。11月28日、同炉の変電所で短絡が生じ、稼動が自動的に停止した。これによる放射性物質の放出は生じておらず、事象は国際原子力事象評価尺 度では安全に影響を与えない0レベル。

 IAEAによれば、原子炉停止についてはウクライナ政権からの通報はなく、事件がマスコミ報道に流れた後、IAEA側からウクライナに連絡を取り、ようやく確認がとれた。

 ウクライナ南東部のザポロジェ原発で電気系統の故障が発生し、一部地域への電力供給が滞っている。同国のエネルギー相が3日に明らかにした。放射性物質による危険はないとしている。

 エネルギー相によると、11月28日に同原発3号機の出力系統で回路のショートが発生した。現時点で原因は分かっていない。ウクライナではこのところの寒さで電力需要が増大していた。

 12月5日までには緊急修理を終える見通しで、エネルギー相は「原子炉に危険はない。技術問題は解決されつつある」と強調している。

 エネルギー省では電力不足について苦情が寄せられたため、2日になって事態を公表することにしたという。

 ザポロジェ原発はウクライナが旧ソ連の一部だった1984年から稼働している欧州最大の原発で、3号機は86年に運転を開始した。同年に事故を起こしたチェルノブイリ原発からは、約520km離れている。

 今回、原子炉が緊急停止を起こす事故を起こしたZaporizhia Nuclear Power Plantは、1000MWの原子炉を6基備えた欧州最大の原子力発電所で、ウクライナの全電力の5分の1を供給している。

 しかし、近年になり、核燃料不足から定格出力での運転はできない状態に陥っていた。これまでは、ウクライナで電力不足が生じた場合には、隣国ロシアから電力の供給を受けることで融通してきたが、今年の3月に生じたロシアによるクリミア併合により、両国の関係は紛争状態に陥っていることもあり、電力不足問題は、ウクライナにとってかつてない深刻な問題ともなりつつある。