2014.12.14.

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マカオ:人口63万人突破・ 出稼ぎ労働者が25%!

10月入境旅客数・11%増の265万人!

中国本土旅客が全体の7割!


 マカオ政府統計調査局は11月10日、今年(2014年)9月末時点におけるマカオの人口が63万1000人に上ったとする最新統計を発表。前回調査の今年6月末から7,000人(11.1%)、前年同期との比較では3万2800人(5.2%)のそれぞれ増。人口の50.6%を女性が占めた。

 今年第3四半期の新生児数は第2四半期から18%増の1971人。今年1〜9月の累計新生児数は前年同期比8.7%増の5274人。

 死亡数は58減の419件で、三大死因は悪性腫瘍(がん)が157件、循環器系疾病が84件、呼吸器系疾病が64件。今年1〜9月の累計死亡件数は3.7%増の1445件。

 第3四半期の中国本土からの移民は第2四半期から70.3%増の2656人、居留権獲得者数は12.1%増の538人。第3四半期末時点の外地からの出稼ぎ労働者数は4.6%増の16万2877人で、前年末から9618人増。第3四半期の婚姻登録数は1.3%増の94
5件、1〜9月の累計で2.9%減の3069件。

 今世紀に入って以降、マカオの人口は右肩上がりに増えており、同じ月の比較で10年前の46万1000人から36.9%、5年前の54万1200人から16.6%のぞれぞれ増となっている。大型リゾート施設が相次ぎ開業、または建設中であることから、サービス業や建設業に従事する外地からの出稼ぎ労働者が増えているのが主要因。今年9月末時点で、マカオの居住人口の実に25%が出稼ぎ労働者となっている。出稼ぎ労働者のうち、中国本土出身者が出稼ぎ労働者全体の64.8%を占め、フィリピンの12.7%、ベトナムの8.0%がそれに次ぐ。出稼ぎ労働者の増に伴い、生活習慣の違いなどから地元市民との摩擦も発生しており、マカオの新たな社会問題となっている。


 マカオの10月入境旅客数11%増の265万人=中国本土旅客が全体の70%、連休効果で大幅伸長。

 マカオの入境旅客数は今年8月に単月過去最高の旅客数を記録した後、9月は伸び率が鈍化したが、10月は中国の建国記念日にあたる国慶節、重陽節などの連休があったことから、再び2桁増となった。香港のデモ隊による道路封鎖を受け、本土旅客の一部がマカオへ行き先を変更した分の上乗せもあったとみられる。

 今年10月の入境旅客の出身地別では、中国本土旅客が前年同月比20%増の182万4719人(うち個人旅行者は18%増の79万8110人)、省市別割合では広東省が78万1471人、福建省が8万4536人と多かった。

 この他、韓国が4万5119人、日本が2万1889人で、それぞれ17%、2%増。一方、香港が50万8710人、台湾が7万9057人で、それぞれ6%、11%減。なお、長距離地区では米国が1万5499人、オーストラリアが9112人、カナダが6656人、英国が5838人で、いずれも減少となった。

 10月の旅客平均滞在時間は前年同月と同水準の1.0日、宿泊を伴う旅客の平均滞在時間は2.0日、同日帰り旅行者は0.2日。

 2012年秋以降、日中関係の複雑化、それに伴う直行便の減便といったものに加え、マカオのホテル価格の高騰による他地域への顧客流出、昨今の円安傾向など複数の要因で日本人旅客の減少が続いてきた。2013年秋以降若干の回復傾向にあり、2014年2月、3
月は上昇し、4月に反落したが、5月に再び上昇に転じ、10月までその勢いを持続している。

 現状、マカオの観光マーケットは、中国本土旅客への依存度が極めて高いとなっており、過度な依存に対する警戒感も根強い。マカオ政府では海外からの旅客誘致のためのプロモーション活動に力を注いでいるが、本土で高まるマカオ渡航意欲の勢いに全く追いつけていない。