2014.12.22.

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安倍政権・飴と鞭:沖縄振興費減額も!

普天間転換促す構え!

沖縄振興3001億円・3年連続増!


 政府は、沖縄県の翁長雄志知事が米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対していることを踏まえ、沖縄政策を見直す検討に入った。翁長氏に方針転換を促す狙いがある。増やし続けてきた沖縄振興費について、2015年度予算案での減額も視野に入れている。

 政府はこれまで、沖縄振興策を呼び水に普天間移設の進展を図る手法を取ってきた。カネと権限を盾に露骨に圧力をかけるような姿勢に出れば、沖縄県側が反発するのは確実で、移設問題の先行きを一段と不透明にする可能性がある。

 沖縄振興費をめぐり、安倍政権は13年度予算で3001億円、14年度予算で3501億円を計上した。11月の知事選で3選を目指した仲井真弘多前知事を後押しするため、15年度の概算要求では3794億円に上積みした。

 しかし、知事選では普天間飛行場の県外移設を訴えた翁長氏が勝利。同氏は16日の県議会で「辺野古に新基地を造らせないことを県政運営の柱にする」と表明し、仲井真氏による辺野古埋め立て承認の取り消し・撤回を目指す方針を改めて示した。

 翁長氏は15年度の予算要望のため週内に上京し、安倍晋三首相や、菅義偉官房長官ら関係閣僚と会談したい考え。しかし、菅氏は19日の記者会見で、正式な面会要請は届いていないと説明し、「会う予定はない」とも語った。政府関係者は沖縄振興費について「(14年度からの)減額もあり得る」と話している。 

 政府が1月29日閣議決定した2013年度予算案で、沖縄振興予算は3001億円(復興予算を含む)と12年度当初比2.2%増えた。第5次沖縄振興計画(12〜21年度)の本格化に合わせ、3年連続の増額予算になる。那覇空港の第2滑走路の増設に130億円を新規計上、工期短縮も明記した。使途の自由度が高い沖縄振興一括交付金も2.4%増額した。

 沖縄振興予算は政府が沖縄で行う公共工事や、沖縄振興特別措置法に基づく沖縄振興一括交付金などの総額。13年度予算額は、沖縄側の要望に基づく内閣府沖縄担当部局の概算要求額(3045億円)は下回ったものの、沖縄科学技術大学院大学(OIST、同県恩納村)の研究棟新設などを先行計上した12年度補正予算との合計額は3375億円。ほぼ「満額回答」といえる。

 那覇空港の第2滑走路整備は13年度、設計や漁業補償とともに一部工事にも着手。計画では現滑走路の沖合約1.3kmの海面を埋め立て、全長2700mの滑走路などを建設する。

 国土交通省などの当初案では総額1900億円と7年の工期がかかる見通しだったが、同省は13年度予算編成に合わせて修正。総額を80億円上積みし、工期は「5年10カ月」に短縮する。県や地元観光業界などは5年程度への工期短縮を繰り返し求めていた。完成は19年末の予定。

 沖縄の観光・物流の玄関口である那覇空港は現在、1本の滑走路を自衛隊と共用しており、発着容量は限界に近い。11年には航空自衛隊のF15戦闘機が滑走路を逸脱して停止し、滑走路が一時閉鎖されるトラブルも発生している。

 沖縄振興一括交付金は計1613億円で、内訳は産業振興や人材育成に充てるソフト分が12年度と同じ803億円、道路や港湾の整備などに使うハード分が5%増の810億円。財務省は「沖縄の喫緊の課題に対応するため特別に増額した」としている。