2014.12.26.

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ロシア:仏に揚陸艦の引き渡し要求!

艦艇の電子機器が盗まれる!


 ロシアのアントノフ国防次官は12月24日、フランスがロシアへのミストラル級強襲揚陸艦の引き渡しを凍結している問題について、フランスは契約を履行すべきであり、契約を履行しないのであれば、代金を返還すべきだと主張した。

 フランス政府がロシア政府からの発注により建造を進めてきたロシア海軍向けミストラル級強襲揚陸艦「Vladivostok(ウラジオストク)」の引き渡しを一時停止する措置を講じたことが25日、フランスのローラン・ファビウス外務大臣によるTweetで明らかとなった。

 BBCによると、フランス政府は「今後、通達があるまで引渡しは停止した」としている。

 Vladivostokはロシア政府がフランス政府に対して総額12億ユーロで発注を行っていた2隻のロシア海軍向けミストラル級強襲揚陸艦の一番艦で、当初の予定では引渡しが行われる予定だった。

 フランス政府は2014年の9月に、ロシアによるクリミア併合を受けたEU諸国による対ロシア経済制裁の一環としてVladivostokの引き渡しを停止する考えを明らかにしていた。

しかし、その後、Vladivostokの引き渡しを拒否した場合には、フランス政府は、ロシア政府に対して建造代金の返済に加えて違約金の支払いが生じることなどから、引渡し拒否を巡る最終判断を巡っては揺れていた。

フランス政府が正式な措置として、Vladivostokの引き渡しを保留する決定を下したことについて、ロシア政府は、タス通信を通じて艦船の受け渡しが不可能という状況になった場合には、フランス政府を相手に損害賠償請求訴訟を起こす考えを明らかにしている。

今回の決定を巡ってフランス政府が実際に違約金を支払う義務が生じるかについては、法律上の見解は分かれている。しかし、ロシア政府が支払った建造代金の返済義務が生じることについては見方は一致しており、建造代金を自国で負担しなければならないことに加えて、建造代金の返済も行う必要性が生じるなど、フランス政府にとっては今回の決定は財政上の大きな負担が生じるものにもなっている。

対露制裁の一環でフランス政府がロシアへの引き渡しを停止したロシア海軍向けミストラル級強襲揚陸艦「Vladivostok(ウラジオストク)」から電子機器が盗まれるなどの被害が生じていることがロシアのRT紙の報道により明らかとなった。

Vladivostokは2014年10月の完成以降は、フランス西部にあるサン=ナゼール港に係留された状態のままとなっている。

今回、窃盗が明らかとなった搭載機器は、Vladivostokに搭載されているコンピューターのハードディスク、マザーボード、グラフィックスカードといった内蔵部品で、ハードディスク内にインストールされていた通信システムごと盗まれたというものとなる。

これらの機器にインストールされていたソフトウェアはフランスの大手電機メーカーThales(タレス)がフランス海軍向け開発を行ったものとなる。

フランス国内紙によると、艦船にはハッチの施錠は強引に破られた形跡はなく、事情に詳しいい内部のものの犯行である可能性なども指摘されている。