2014.12.27.

アクセスカウンター

中国・教師のストライキ:給料・公務員の半分以下!

黒竜江省肇東市・8000人!

経済優先・安徽省含山県、河南省固始県でも発生!


 中国の黒竜江省、安徽省などで最近、待遇改善を求める小中学校の教師によるストライキが頻発している。物価が年々上昇しているにもかかわらず、地方政府の多くが賃金を抑え続けたことが主な原因だ。また農民工の子弟が学ぶ民営の学校などでは臨時教師を大量に雇用しているが、福利厚生や身分保障がないことへの不満が高まっている。

 黒竜江省肇東市で11月中旬から下旬、市内全小中学校の約8千人の教師がストに突入した。賃上げと未払いボーナスの支給が主な要求だ。現地からの情報によると、同地域で豚肉などの食品は毎年10%近く上がっているのに、教師の給料は最近3年間上がっていない。教師たちは市教育局に直訴の手紙を2度送ったが返事がなく、ストに突入したという。

 中国は法律で「教師の平均的な給料は公務員に準ずる」と定めているが、同地域での実態には大きな差がある。勤続20年の正規採用の教師の月給は2千元(約3万8千円)前後と、公務員の半分以下だ。

 肇東市ではストにともなって市内すべての小中学校で授業ができない状態になり、商店街には、午前中から走り回る子供たちがあふれたという。同市の趙勝利党委書記は教師代表と会談して法律に基づく待遇改善を約束し、ストは数日後にようやく治まった。

 しかし、肇東市の教師たちが起こした行動に刺激される形で、安徽省含山県、河南省固始県などでもストが始まった。中国当局はスト関連の情報をネット上で規制しているが、福建省などでも教師がストを準備しているとの情報がある。

 関係者によると、ストに参加した教師の多くは民営の学校などに雇用された臨時教師だという。正規採用より給料はさらに少なく、中には10年以上勤務しても正規になれない人もいる。

 教師のストが多発する背景には、各地政府が経済成長を優先し、教育関連予算を意図的に低く抑えていることがあると指摘される。