2015.01.15.

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諫干・開門調査:15年度予算案・対策費62億円!

裁判の開門判決も実施されず!




 1月14日に閣議決定された2015年度予算案に、国営諫早湾干拓事業(長崎県)の開門調査に必要な対策経費61億9100万円が計上された。13年末までに開門調査を実施するよう命じた福岡高裁判決を履行できず、政府が1日45万円(1億6000万円)の制裁金を支払う異常な事態が続いているが、農林水産省は「関連訴訟の先行きは見通せないが、開門することになった場合にも対応できるよう必要な予算措置はした」(農地資源課)としている。


  

 対策費は、海水を淡水化して農業用水を確保する施設の建設費などの工事費(54億円)が中心。農水省は12〜14年度の3カ年で計243億円の工事費を計上して事業を進める計画だった。しかし、地元の反対で着工できず12、13両年度の工事費の大半が14年度に繰り越された。14年度予算では、これに加え51億円の工事費を計上しているが、今年度末までに着工できなければ、過去の工事費と合わせて15年度予算に繰り越される見通し。


 

 開門対策費の内訳は、事前対策工事費に53億9900万円、開門前後の環境変化を把握する環境調査費に5億4200万円。排水門の操作や淡水化施設の運用などにかかる施設管理費は2億5千万円と見積もっている。


 

 対策工事費の総額は約243億円。一方、現状のまま開門しない場合は制裁金を漁民側に1日当たり45万円を支払い続ける必要があり、1億6425万円も別会計に準備した。


 

 開門調査費とは別に不漁が続く有明海再生のため、沿岸4県が協調して魚介類の生息状況を調査する事業費も、14年度の2倍の6億円が認められた。