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2015.02.01.

南シナ海の哨戒活動・自衛隊に期待:米第7艦隊司令官!

中国にいつまでも良い顔するな!

ガイドライン改定なら内閣も腹を決めるべし!


 1月31日、米海軍のロバート・トーマス第7艦隊司令官は31日までにロイターのインタビューに応じ、自衛隊が哨戒活動を南シナ海にまで広げることに期待を示した。

 同海域の権利を主張し、活動を活発化させる中国をけん制するのが狙い。東シナ海までだった日本の哨戒範囲が広がれば、中国との間で緊張が高まる可能性がある。

 トーマス司令官は「南シナ海の同盟国、盟友国は、同海域を安定させる機能として、ますます日本に期待するようになるだろう」と指摘。「率直に言って、南シナ海では中国の漁船、海警の船(と海軍の艦船)が近隣諸国を圧倒している」と述べた。

 安倍晋三政権は東南アジアの安定に積極的に貢献する姿勢を示しており、トーマス司令官の発言は、米国が日本の動きを支持していることの表れと言える。

 両国は、自衛隊と米軍の役割分担を定めた「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」の改定作業を今年前半までに終える予定にしている。柱の1つとして海洋安全保障での協力を打ち出す見通しで、東シナ海までだった日本の役割が拡大する可能性がある。

 日本は独自に開発した初の国産哨戒機「P1」の配備を始めた。航続距離が従来の「P3C」の2倍の8000kmに伸び、能力的に南シナ海へのパトロールも可能になる。

「将来的に自衛隊が南シナ海で活動することは理にかなっている」と、トーマス司令官は日本の役割が広がることを歓迎した。

 南シナ海では中国、フィリピン、ベトナム、台湾、マレーシア、ブルネイが領有権をめぐって争っている。日本は当事国ではないが、同海域は世界の漁獲量の1割を占める有数の漁場であるとともに、年間5兆ドル規模の貨物が行き交う貿易ルート上の要衝でもあり、その多くが日本に出入りしている。

 中国外務省の報道官は、定例会見でトーマス司令官の発言について問われ「域外の国は、域内の国々が平和と安定を守る努力を尊重すべきだ」と語った。

 中国は南シナ海の島々の領有権を主張する根拠を、地図上に独自に引いた「九段線」にあるとしている。九段線に囲まれた範囲は、南シナ海のおよそ9割を占める。

 南シナ海における火種の1つが、フィリピンに近い中沙諸島のスカボロ―礁。中国がフィリピンの漁師を締め出し、フィリピンは国際仲裁裁判所に提訴している。

「九段線なる線は、国際的なルールや規範、基準、法律に適合しておらず、不必要な摩擦を生み出す状況を作り出している」と、トーマス司令官は語った。その上で「フィリピンの問題の1つは能力。装備協力だけでなく、訓練や運用、日本が支援するのに完璧な分野だ」と述べた。

 日本とフィリピンは29日、都内で防衛相会談を開き、海洋安全保障の協力強化で一致した。両防衛相は覚書に署名し、海上での突発的な衝突を防止するための共同訓練を年内に実施することや、フィリピンの航空輸送の能力強化を日本が支援することなどを決めた。

 自衛隊との連絡幹部だった米海兵隊のグラント・ニューシャマン元大佐は、「軍事力を強化し、積極的な役割を果たそうとする安倍政権にとっては論理的な帰結だ」と話す。「と同時に、自衛隊にとって従来任務からの決別となる」と語る。

 日本戦略研究フォーラムの研究員でもある同氏は、日本が哨戒任務を南シナ海にまで広げることで、東南アジア諸国との安全保障関係が深まるだろうと指摘する。