2015.06.07.

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尖閣沖EEZ内:中国船・船尾からワイヤ2本垂らし航行!

 第11管区海上保安本部(那覇市)によると、6月6日午前5時25分頃、沖縄県石垣市の尖閣諸島・大正島沖の排他的経済水域(EEZ)内で、中国の海洋調査船「業治zheng」が船尾からワイヤのようなものを2本海中に垂らして航行しているのを、海上保安庁の巡視船が確認した。

 午前9時現在、ワイヤを垂らしたままEEZ内を航行中で、巡視船が中止を求めている。また、同9時現在、同諸島・魚釣島沖の接続水域(領海の外側約22km)内を中国海警局の公船3隻が航行している。

 目的は海底地図の作成、すなわち原潜を始めとするする潜水艦の先行航路の確認と地下資源調査の際のリグの設定位置の確認の意味もあろう。尖閣諸島の最接近地を調査するという事は、尖閣諸島をターゲットとした上陸作戦時の位置取り(揚陸艦上陸地)後方支援の護衛艦などの邪魔になる岩礁などの調査も含まれる。

 中国政府が5月26日に『国防白書』を発表した。1998年以降ほぼ2年おきに内容を更新し、今回が9回目となる。その内容が極めて好戦的だったことが専門家を驚かせている。

 第1章では、『米国がアジア太平洋地域において軍事プレゼンスを強化している』『日本が軍事安保政策を大幅に変えて国家発展を図っている』といった主旨の記述がある。

 習近平・国家主席は〈海軍は近海防衛型から遠洋護衛を含む複合型に、空軍は領空防護型から攻防兼務型へ転換する〉という文言を入れ込んで、アジア太平洋地域への積極的進出の狙いを隠さなかった。

 「白書では尖閣について、日米同盟強化への懸念を示す文脈の中で『海上に存在する個別の隣国』が『強い軍事力を行使して中国の島嶼を不法に占拠している』と述べており、日本を名指しこそしていないが、尖閣への野心を明確に示した。

 南シナ海の領土・領海問題が片付けば、次は尖閣問題の軍事的な解決に乗り出すと表明したということ。習近平政権なのか、中国軍が独走し始めたのか、南沙諸島における米中の今後のやり取りから目を離せない。

 中国は、嫌がらせをしながら、Ddayを密かに定め、着々と準備に入っている。

 南沙諸島に注目を集めさせ、他方では一気に尖閣上陸と言う強硬手段を取ろうとしている。

以下は、SAPIO3月号に掲載されている内容

 「尖閣諸島への攻勢の準備か?」そう思わせるのに十分な軍事拠点を中国が尖閣近海に築こうとしている。

 昨年12月22日、共同通信が配信した記事によると、中国人民解放軍は、浙江省の海岸から50km離れた沖合に浮かぶ島・南ジ島に新たな軍事拠点を整備中だという。南ジ島は尖閣諸島まで約300kmの場所にあり、沖縄本島より約100kmも近い。大小52の島からなる南ジ列島のうち最大の南ジ島では、すでに最新鋭のレーダー施設を設置、ヘリポートも整備中で、さらには滑走路の建設計画も浮上。

 中国国防省の楊宇軍・報道官も基地建設を認めている。そのうえで「日本のメディアは推測を加え(て報道し)、地域に緊張が生まれるかのように煽っている」と述べ、当然の行動であると強調した。

「過度に緊張を煽っている」かどうかは、その軍事拠点の内容による。新軍事拠点の規模や設備はどうなるのか。アメリカで海軍戦略アドバイザーを務めており、中国軍の実情に詳しい北村淳氏はこう解説する。

 本文は以下の写真版と PDF版