2015.08.04.

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五輪と世界陸上:メダル146個にドーピング疑惑!

日本選手も5%という異常数値!
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 8月2日付の英紙サンデー・タイムズは、2001年から12年に開催された五輪と世界選手権の、陸上中長距離種目出場選手のドーピング(禁止薬物使用)検査結果を入手し、金メダル55個を含む146個のメダルにドーピングの疑いがあると報じた。日本選手の検査結果も5%で異常な数値を示したとしている。
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 同紙は国際陸上競技連盟(IAAF)内の情報提供者から、陸上800mやマラソンなどに出場した約5000人、1万2000件以上の血液検査データを入手。同紙から依頼を受けた専門家2人が分析した。その結果800人以上が「ドーピングの疑いが強いまたは通常(の値)ではない」と指摘。ロンドン五輪10個のメダルが「疑わしい」とした。
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 BBCによると、金メダルも55例あるとしている。また、専門家は全体で800人以上の血液検査結果について、ドーピングを強く示唆した。
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 世界反ドーピング機関(WADA)のクレイグ・リーディー会長はクアラルンプールで取材に応じ、ARDが制作した番組を見たとした上で、「(ドーピング疑惑の)人数に驚いた。懸念している」と話し、独立委員会が調査すると明言した。
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 IAAF会長選に立候補しているセルゲイ・ブブカ副会長は、ラミン・ディアク会長WADAのリーディー会長と会談した後、「いかなる違反も許さない。それは明らかだ」と話した。 
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 サンデー・タイムズ紙は情報提供者から、選手名を公表しないとの条件でデータを入手。具体的な選手名は挙げていないが、異常値を示した割合を国別に並べた一覧表を掲載し、55カ国を挙げた。
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ロシアが30%と最高
ウクライナ28%、
トルコ27%と続き、
日本は米国や中国などと同率の5%。
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 ロンドン五輪の100mなど3種目で金メダルを獲得したウサイン・ボルト(ジャマイカ)は含まれていないという。
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 入手したテレビ局などによると、データには新たなドーピングスキャンダルに発展しうる証拠が示されていると主張している。
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 ロシア陸連、組織的なドーピングを主張する独放送局を訴える
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 データを入手したのは、独テレビ局ドイツ公共放送連盟(ARD)と英紙サンデータイムズ(Sunday Times)で、情報を血液ドーピングの専門家に提供したと明かしている。
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 調査を行った専門家は、データには不正にあたる事例が含まれており、クリーンな選手に対する「恥ずべき裏切り」だとIAAFを批判している。そして、現在のトラックとフィールドは「20年前の自転車ロードレース界と同じ魔界だ」との見解を示した。
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 専門家の1人は番組の中で、「3人のメダリストのうち2人が、キャリアのどこかで血液ドーピングを行った疑いのある選手ということも珍しくはなかった。ある大会では、表彰台すべてが私の見る限りドーピング経験者の可能性が非常に高い選手で占められていた」とコメントしている。
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 そして、「IAAFは、大会のテレビ放映で巨額の収入を得ているにもかかわらず、反ドーピング活動に投じる資金はそのごくごく一部にすぎない」と主張し、IAAFの反ドーピングポリシーを批判した。
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「個人的な見解では、これは恥ずべき裏切りだ。自分たちのスポーツの秩序を維持し、クリーンな選手を守ることが、彼らが最優先すべき仕事のはずだ」
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 これを受けてIAAFは、検査結果は不正の証拠にはなり得ないと主張し、管理体制を批判する声に反論した。
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 英国放送協会(BBC)が報じた声明の中でIAAFは、「IAAFは常にドーピングとの闘いにおける最前線に立っており、新しい分析技術と方法を模索し、これを導入している」と反論している。