2015.12.04.

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人吉市長・選挙公約撤回:新庁舎建設改良案・規模縮小!

事業費を10億円超圧縮!
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現計画を踏襲・既存施設も活用!
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 熊本県人吉市の松岡隼人市長は12月1日開会した市議会本会議で、4月の市長選で公約に掲げた「新市庁舎建設計画の見直し」を事実上撤回し、市役所別館周辺に建設する現計画を基本的に踏襲する考えを表明した。松岡市長は施政方針で「私が訴えた市カルチャーパレスなど既存施設の活用案は、代替案としての精度に欠けた」と説明した。
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 現庁舎は築53年。約1km離れた別館敷地に約33億円かけ新庁舎を建設する市の計画に、松岡市長は市長選で「莫大な借金を背負う」として白紙撤回を表明。カルチャーパレス敷地内に現庁舎より小さい建物を新築するなど総額7億円程度の代替案を示し、初当選した。
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 市長はこの日、「総事業費や、新庁舎の面積などは可能な限り現計画を圧縮し、さらには周辺の公共施設を有効活用する」と述べた。2日の市議会特別委員会で総事業費を抑えるなどした現計画の改良案を示す。
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 人吉市は2日、新市庁舎建設計画の改良案を明らかにした。2〜3階建て想定で総事業費16億1千万円の案と、3階建て想定で同19億5千万円とする計2案で、現庁舎から約1キロ離れた別館周辺に新設する現計画(4〜5階建て)の総事業費(33億円)を大幅に圧縮した。今後、2案のより詳細な事業内容をまとめ、市議会市庁舎建設特別委員会に提示する。有識者などでつくる審議会や公聴会も開き、1案に絞る方針。
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 2日の特別委に報告された改良案は、2案とも総面積を現計画の9750uから約8千uに縮小し、別館や水道局など市有施設も活用する。井上祐太総務部長は「最大の課題である事業費圧縮と、(市長が市長選で掲げた)周辺施設の有効利用に沿った、現時点で考えられる最良の案」と説明した。
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 市長選で最大争点となった公約を就任7カ月で断念したことに、市民から怒りの声が上がった。40代主婦は「実現性など見通しを立てた公約だったのか。『チェンジ人吉』と言いながら、結局何も変わっていない」と指摘。団体職員男性(38)は「目玉公約ができなければ、子どもの医療費無料化など他の公約もなし崩しになるのではないか」と話した。
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 市は8月に総務部内に作業部会を設置し、松岡隼人市長が4月の市長選で公約に掲げた現計画の代替案や、現計画を基本的に踏襲した改良案を検討していた。市長は1日の市議会本会議で「現計画を白紙にし、市カルチャーパレスなど既存施設を活用する」などとした公約の撤回を表明していた。
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