2015.12.07.

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国交省・河川堤防越水対策:アスファルトで堤体保護!

コストを大幅に縮減できる!
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 河川堤防の決壊で大きな被害が出た9月の関東・東北豪雨を教訓に、国土交通省は今後の堤防整備で減災に主眼を置いた「粘り強い構造」を重視する方針を固めた。越水しても堤体の浸食を遅らせられるよう、天端へのアスファルト舗装を実施。かさ上げなどの本格整備が遅れている堤防で、2016年6月の出水期入りまでに集中的に取り組む。今後2〜3年以内には防災対策に主眼が置かれた現行の河川法を改正し、新たに減災対策も重視することを打ち出す。
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 11月30日に社会資本整備審議会(社整審、国土交通相の諮問機関)河川分科会の「大規模氾濫に対する減災のための治水対策検討小委員会」がまとめた提言案に沿って対策を進める。
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 提言案では、来年の出水期までに取り組むべき対策と、今後2〜3年以内に実現すべき対策の2段階で整理。来年出水期までの対策では「減災のための危機管理型ハード対策」と銘打ち、越水しても決壊を遅らせ、被害の最小化と十分な避難時間の確保を両立できる粘り強い構造を提案した。
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 これを受け国交省は、堤体土砂の浸食防止に効果がある天端へのアスファルト舗装を中心に対策に取り組む。かさ上げなど越水そのものを防ぐ防災対策よりコストを大幅に縮減できる。
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 この当面の減災対策は、洪水リスクが高い上に、かさ上げなどの防災対策が十分に進んでいない国直轄の河川堤防を優先し、15年度補正予算で進める方針だ。対策の規模・延長は固まっていない。
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 提言案では、今後2〜3年以内に実現すべき対策として、この減災対策を中長期的に実施し続けていくための仕組みを構築する必要性も指摘した。これを受け国交省は、2017年以降の河川法改正を検討。同法に基づいて河川管理者が作る防災重視の整備計画の目的に減災を追加する考えだ。
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 提言案の要旨は次の通り。
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【来年の出水期までに実施すべき主な対策】
 △決壊までの時間を少しでも引き延ばせる河川堤防構造の工夫
 △堤防の連続的な高さの調査実施
 △洪水リスクが高い国管理河川区間での市町村等との共同点検実施
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【今後2〜3年以内に実現すべき対策】
 △減災のための危機管理型ハード対策とソフト対策を一体的に実施し続けられるようにする仕組みの構築
 △減災を図る堤防などの施設構造の調査・研究・技術開発推進
 △水防資機材の技術開発と普及策作り。
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