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   2016.03.07.
   伊万里松浦病院:移転候補地で四分五裂!  
   
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市内存続求め署名提出!
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市内存続一枚岩なれず!
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 伊万里松浦病院(旧社会保険浦之崎病院=伊万里市山代町)の移転問題で、旧伊万里市民病院跡地(二里町)への移転で市内存続を目指す伊万里市の方針に、地元医療関係者などから反論が続出、市は対応に苦慮している。
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 競合する長崎県松浦市が移転候補地として条件を整えつつあるが、塚部芳和市長は「市内存続に向けクリアすべき条件は既に提示した」と医師会との協議や新たな打開策の提示には消極的で、手詰まり感が漂っている。
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 無償貸与で移転先候補とする旧市民病院跡地は、旧有田共立病院と合併してできた伊万里有田共立病院(西松浦郡有田町)とは約3・5km。伊万里・有田地区医師会(小嶋秀夫会長)は、共立病院と地域的に競合することなどを理由に1月、市民病院跡地への移転反対を決議。伊万里松浦病院を運営する独立行政法人地域医療機能推進機構(本部・東京)には2月10日、現在地での建て替えを求める意見書を送った。
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 伊万里有田共立病院の井上文夫院長も「統合時の医療資源の集約化という理念に反する」と反対の立場を表明している。
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 塚部市長は定例記者会見で「医師会には医師会の考えがあり、否定するものではない」「共立病院は地域の中核病院として第一に考えており、井上院長は同志」と述べた。その上で、「私も現地での建て替えがいいと思っているが、市外に移転した場合に、市民の診療機会の喪失などで不安がある」と“市長の立場”を強調する。
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 3月1日に開会した伊万里市議会は、市内存続と地域医療の充実を求める決議案を賛成多数で採択した。具体的な移転地についてはあえて「市民病院跡地」と場所名を盛り込まない決議文となったことが「跡地移転」問題の根深さを物語る。
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 松浦市は1月の臨時市議会での移転を求める決議を受け、友広郁洋市長が「不退転の決意で」と正式に誘致を表明。2月9日には機構関係者との協議の場を持ち、既に市役所近隣の市有地を候補地として提示するなど、競合する伊万里市を先行した形だ。
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 伊万里市議会は1日、市内存続を求める決議をした。ただ、病院側が強く望み、市が無償貸与を決めた旧市民病院跡地への誘致までは明記できなかった。
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 閉会後の記者会見で決議について問われた塚部芳和市長は「議会としての思いがあったんだろう。私は今後、医師会との協議は考えていない」とし、伊万里松浦病院側の最終判断にゆだねる考えを示した。
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 決議では、救急搬送の際には県北、県南、長崎県佐世保市の医療圏に運ばれることが多く、中核的医療機関である伊万里有田共立病院との医療連携が市民の安心・安全に寄与する、と指摘。(1)市内での存続と早期建て替え
(2)現有地から移転するならサテライト診療所を置く――など4項目の要望を記した。
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 討論では「病院側からの市民病院跡地への移転要望を10カ月も放置した結果、昨年秋に長崎県松浦市に移転を申し入れる事態を招いた経緯が書かれていない」などとして1人が反対したが、賛成多数で可決した。
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 伊万里松浦病院(旧社会保険浦之崎病院=伊万里市山代町)の移転先をめぐり伊万里市と長崎県松浦市が競合している問題で、伊万里市区長会長会(安並勇会長)は3日、病院の市内存続と早期建て替えに賛同する市民ら1万3182人の署名を塚部芳和市長に提出した。
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 趣意書は病院建て替え地を明示せず、「旧伊万里市民病院跡地」の文言は入っていない。市は病院を運営する独立行政法人地域医療機能推進機構(本部・東京)に署名を報告し、区長会長会からの要望書も近く送付するという。
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 塚部市長は「住民の熱い思いを機構に伝えたい。いろんな要素を状況分析して最終判断されるだろうが、大きなインパクトがあると思う」と後押しに感謝した。
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 署名活動は市内全13地区ごとに2月10日ごろから始めたという。安並会長は「病院が市の西端にあり、地域的な温度差も確かにあったが、多くの市民は市内存続を望んでいる」と話した。
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