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   2016.05.13.
   福岡工業大:捨てる焼酎粕・低コストな蓄電池に!  
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捨てるものから新たなエネルギー!
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福岡工業大学(福岡県福岡市)は5月11日、焼酎製造時に生じる「粕(かす)」を活用した蓄電池を開発したと発表した。
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この蓄電池は「電気二重層キャパシタ」タイプで、通常の蓄電池と比較して、貯められる電気の量は劣るものの、短時間で充放電する瞬発力に優れており、繰り返しの使用に非常に強い。将来的には電気自動車(EV)の回生電力、小型モバイル機器、家庭用の蓄電池などへの実用化が期待される。
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開発に成功したのは、同大学工学部電気工学科の田島研究室。焼酎工場から排出される焼酎粕を使用し、材料となる活性炭を作製、電気二重層キャパシタへ応用した。
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焼酎粕を用いた活性炭は、製法の工夫により、従来から多く用いられてきたヤシ殻由来の活性炭と比較して、イオンを表面に保持する能力を約13%向上させた。その活性炭を電気二重層キャパシタの電極として応用し、貯めることができる電気の量も全体として約20%向上させた。
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田島研究室のHPより(http://www.fit.ac.jp/gakubu/kenkyu_movie)
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九州発!焼酎粕(かす)から低コスト充電池を開発。電気自動車にも活用可能
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福岡工業大学(福岡市東区)工学部電気工学科の田島研究室は、焼酎製造時に生じる「粕(かす)」を活用した充電池を開発しました。
この充電池は瞬間的に大きな電気を充放電でき、将来的には電気自動車、小型モバイル機器 、家庭用の充電池などへの実用化が期待できます。
廃棄物を使用するため、低コストなうえ、放充電の際に劣化が少なく長期間の使用も可能です。また、九州で大量に発生する焼酎かすの新たな活用法を開拓したことで、地域の環境保護や産業の活性化も期待されています。

概要
このたび開発した充電地は「電気二重層キャパシタ」タイプです。
「電気二重層キャパシタ」とは、活性炭の表面にある微細な隙間に多数のイオンが付着したり放出されたりする現象を利用した充電池で、通常の充電池と比較して、貯められる電気の量は劣るものの、短時間で充放電する瞬発力に優れており、繰り返しの使用に非常に強いという特徴があります。
そのため、ハイブリッド自動車でブレーキ時のエネルギーを急速に蓄えたり、発進・加速時に大きな電力を供給したりする用途に適していますが、現状では更に多くの電気を蓄えられるようにすることと、できるだけ安く作ることの課題があります。
今回、田島研究室では、焼酎工場から排出される焼酎かすから、材料となる活性炭の作製と電気二重層キャパシタへの応用に成功しました。
今後も実用化に向けた取組を進めて参ります。
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■成果と今後の活用
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九州で大量に発生し、処理及び有効利用が課題となっている焼酎かすを用いた活性炭の作製に成功。
製法の工夫により、従来から多く用いられてきたヤシ殻由来の活性炭と比較して、イオンを表面に保持する能力を約13%向上させた。
その活性炭を電気二重層キャパシタの電極として応用し、貯めることができる電気の量も全体として約20%向上させた。
今後は多量の焼酎かすから一度に活性炭を作成するためのスケールアップ、焼酎かすの廃棄費用に悩む九州の焼酎業界への貢献を目指す。
また、充電池としての能力を向上させ、災害時などの非常用電源として活用できるような研究開発を続けていきたい。
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【電気二重層キャパシタ】
固体と液体との界面にできる電気二重層現象を利用した充電池の一種。化学反応を伴わないため、理論的には電極が劣化せず、メンテナンス(取り換えなど)が不要。電極には主に炭素材料が使用され、炭素材料へのイオンの吸脱着により充放電が進行する。
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