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   2016.05.15.
 シュワブ工事の海上警備:準ブッラク企業か!  
 
受注元・㈱ライジングサンセキュリティーサービス!
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再委託先・㈱マリンセキュリティー!
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社保負担6か月遅れで加入も!
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 労働者の雇用保険加入を厳しく問い、建設業では未加入業者は入札にも下請けにも参が困難となっている中、沖縄の辺野古沖のシュワブ関連工事で、海上警備を落札した業の子会社が2015年の12月ごろまで社会保険未加入だったと言う。
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 名護市辺野古沖の新基地建設予定海域で、沖縄防衛局から海上警備業務を請け負っている警備会社マリンセキュリティー(沖縄市泡瀬)が、健康保険などの社会保険に加入せず少なくとも月数百万円の保険料を負担していなかったことが従業員の証言で分かった。
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 従業員らによると、昨年末ごろまで、100人超の従業員の大半が社会保険に未加入だったという。求人誌には「社会保険・雇用保険あり」と書かれているが、実態は希望者が対象だった。
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 ある従業員は「給与によって差はあるが社会保険料は労使それぞれ月2万~5万円の負担があり、会社は少なくとも月200万円の負担があったはず。社会的責任を果たしていない」と指摘する。会社側はことしに入って、社会保険の加入手続きをしたという。
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 雇用保険では、資格取得日が、採用から最大6カ月以上遅れて加入する事例があった。公共職業安定所によると、本来なら雇用保険の被保険者資格取得日は採用と同じ日付になに、採用日から遅れた加入日となっていることに気づき、会社側に申請し修正した。ほか の従業員も同様に数カ月の遅れがあったという。
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 また、所得税法で給与支払者に発行が義務付けられている源泉徴収票を従業員の「希望制」とし、全員に交付していないことも分かった。従業員らによると、源泉徴収票の発行は、会社が用意する「発行願い」の書面にサインし、提出することが条件となっている。従業員らは「条件付きでの発行は所得税法違反だ」と批判している。
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 マリン社は、新基地建設予定海域で警備業務にあたる従業員の残業代を支払っていないとして、沖縄労働基準監督署から指導を受けている。
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 マリン社は、「普天間代替施設建設事業などの適正かつ円滑な実施の確保を目的」にした警備業務を沖縄防衛局から受注しているライジングサンセキュリティーサービス(東京都)の100%子会社。
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 従業員らによると、海上での警備業務(日勤)が始まるのは午前8時だが、午前4時半~5時半に沖縄市の会社を出発する前には、録画用ビデオや連絡用携帯電話、ライフジャケットなどの装備品の点検を受け、配置を指示される。会社の車両などで金武や漢那、宜野座、辺野古、汀間の各漁港に向かい、現場の配置ポイントには午前8時に到着し、業務を開始する。
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 警備の解除は午後5時で、各漁港には同6~7時ごろに帰港。その後会社に戻り装備品を返却し、報告書を提出すると退社は同7~8時すぎになるという。
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 従業員によると求人誌には、日勤で午前8時~午後5時で日給9千円と記載されていて、業務の前後と実質的に業務から解放されない「休憩時間」分の残業代が支払われていないと主張。「会社の指揮監督下にある場合は労働時間に当たり、1日平均5・5時間の残業を強いられているにもかかわらず、残業代が支払われていないのは違法だ」と訴える。. 残業代の未払いを会社側に訴えたところ、週5~6日あった仕事が、週2~3日に減ら されたこともあったといい「明らかなパワハラだ」と指摘。労基署には、残業代の不払い と仕事を与えないなどの嫌がらせを受けたとして「金銭的不利益・精神的苦痛」を申告し た。
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 名護市辺野古沖の新基地建設予定海域で、沖縄防衛局から海上警備業務を請け負っている警備会社マリンセキュリティー(沖縄市泡瀬)の従業員が月最大200時間以上の残業代が支払われないのは労働基準法違反だとして、沖縄労働基準監督署に訴えを起こしていることが分かった。労基署はマリン社に改善・是正するよう指導した。
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NPO法人労働相談センター(東京)の須田光照副理事長は、「全国的に見てもかなり 多い部類で、異常だ。国の過労死認定基準80~100時間を大幅に超えている。これで は、睡眠や余暇の時間を削らざるを得ない。こうした状態で基地建設に伴う海上警備とい う心身の緊張を強いられる仕事を続ければ、過労死が懸念される。典型的なブラック企業と言える」「実際に体を動かしている時間が短く、待機時間が長い傾向がある。経営者がそこに付け込み、賃金を払わない例がみられる。指揮監督下にあって労働から解放されて いない待機時間(手待ち時間)は労働時間に含まれるが、労組がない会社も多く、足元を 見られる原因になっている」
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 マリン社の事について、「詳細を把握しないと断定はできないが、会社-現場間の移動 は労働時間と考えるべきだ。判例もある。特に漁港-海上の現場間は船の移動で、ほかに 手段もない。現場から帰って報告書を提出するのも業務の一環で、当然そこまでが労働時 間として認められる」「国を挙げてブラック企業を撲滅しようとしている中、その国の公 共事業でこのような劣悪な労働環境が生まれている。防衛省にはこれを正す責任がある」 と話している。