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   2016.08.31.
 熊本市民病院の移転建替え:補正予算・経費計上!  
   
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予算化後・設計委託手続きへ!
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 熊本市は、熊本地震で被災した熊本市民病院(東区、556床)の移転建て替えに向けた関連経費を2016年度8月補正予算案に盛り込むことを検討している。関連経費は用地取得や設計費などが見込まれ、予算化後、早急に設計委託の手続きに入る予定だ。
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 8月26日に開く最終の有識者懇談会(委員長・松田晋哉産業医科大教授、7人で構成)で、基本計画案を審議する。計画案には大まかな施設規模や1-6階の診療科の配置図、建設事業費の概算、事業手法などを盛り込む。市は委員の意見を踏まえて基本計画を決定し、設計などの次のステップに進む。
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 8月22日公表の8月補正予算案には市民病院再建の関連経費は盛り込まれていない。今後、追加計上し、29日開会の16年度第3回定例会での予算化を目指す。

 計画では、熊本地震で被災した熊本市民病院を同市東区東町4-1-1の国家公務員宿舎「東町北住宅」敷地内に移転する。18年度の開院を目指している。新病院の概要について、懇談会の前会合では周産期医療と救急医療を中心に診療科27科とし、病床数は約380床が適正とした。
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<熊本市民病院の再建について>
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                                       2016年8月26日
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                          熊本市政策局 総合政策部  政策企画課
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今般の平成28年熊本地震で被害を受けました熊本市民病院について、今後の対応方針を決定しましたのでお知らせいたします。
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1 基本的考え方
 次のような病院を目指し、移転再建する。
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○地震等の災害に強い病院
市民の命を守ることができる地震等の災害に強い安全な拠点病院として再建する。
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○周産期母子医療を中心とした安全安心な病院
高度な専門性を有する周産期母子医療(NICU)を中心とした、市民に安全安心な医療を提供できる自治体病院として再建する。
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○安定的で持続可能な経営ができる病院
診療体制の充実や採算性向上等を図り、コンパクトで効率性が高い病院として再建する。
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2 再建目標年度
 平成30年度  ※発災後2年を迎える平成30年度中の再建を目指す。
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3 移転先
東町北住宅跡地(熊本市東区東町4丁目1-1) ※財務省所管
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 熊本市民病院では4月16日の本震で病棟の壁や天井などが崩落し給水施設にも被害が発生した。310人の入院患者の転院・退院を余儀なくされ、同28日の診療再開後も入院患者は受け入れていない。また、総合周産期母子医療センターが休止し、県内外の母子医療にも影響を及ぼしている。
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 新病院は地震などの災害に強い拠点病院、周産期母子医療を中心とする安全安心な医療の提供、コンパクトで効率性の高い持続可能な経営--の3項目を基本的な考え方とする。移転候補地は同市東区東町4-1-1の国家公務員宿舎「東町北住宅」敷地内。12棟の住宅のうち、東側7棟は利用されておらず、廃止が検討されており、早急に財務省と協議を進める。
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 市は、現病院の老朽化などに対応するため、梓設計・硯川設計JVに業務を委託し、現在地内で既存の南館、北館の機能を集約したS・SRC造地下1階地上12階建て延べ4万8150㎡の新棟(免震構造、病床数470床)を建設する基本設計をまとめていた。しかし、事業費が当初見込みの133億円から209億円に膨らんだこともあり、事業を凍結していた。
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 今回、計画が移転新築に変更されたが、当初の基本設計のコンセプトなど、生かせる部分は生かしていく考えだ。設計、施工期間が3年程度と短いため、施工予定者技術協議(ECI=アーリー・コントラクター・インボルブメント)方式なども視野に発注方式が検討される見通しだ。
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