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   2017.09.05.
 リチウムイオン電池:正極・負極の材料はすべて輸入!
   
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産出地のコンゴ水不足・電気自動車の命取りか!
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世界のコバルト供給の半分強を供給!
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 電気自動車業界は、コンゴ民主共和国(旧ザイール)の水不足問題が命取りになりかねない。コンゴは電気自動車用バッテリーに欠かせない金属素材コバルトの主要産地だが、水不足のせいでコバルト生産に支障が生じる恐れがあるためだ。
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 コンゴでの事業展開は、最初から困難を伴う。昨年は一部地域で暴力を伴う混乱が再発して100万人近い国民が転居を余儀なくされ、内戦再発の懸念が高まっている。水不足問題はコンゴのこうした苦境に拍車を掛けている。
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 BHPビリトンのような資源大手は、コバルト採掘のために水の供給確保が欠かせない。また資源大手は水力発電によって得られる電力の大口の消費者でもある。しかしコンゴは2年続きの干ばつに見舞われてコンゴ川も水量が約100年ぶりの水準に落ち込み、停電が大きなリスクになっている。
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 未処理の工業廃水のコンゴ川への流入は状況を一段と悪化させるだろう。コンゴではほとんどの国民が安全な飲料水を手に入れることができない。
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 カナダ産金大手バリック・ゴールドは水質汚濁を引き起こしたとしてチリの裁判所から鉱山の閉鎖を命じられ、50億ドルを支払ったが、その後4年が経過したというのにこの鉱山は閉鎖されたままだ。
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 政府や企業が温暖化対策の枠組みであるパリ協定を実行する上で電気自動車が大きな役割を果たすのは間違いない。国際エネルギー機関(IEA)は、2060年の世界の電気自動車の台数は12億台と、16年末の200万台から大幅に増えると見込んでいる。
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 世界銀行の試算によると、電気自動車用バッテリー向けの需要を満たすには、昨年1億2100万トンだったコバルトの生産量を2050年までに約12倍に引き上げる必要がある。世銀によると、コンゴは世界のコバルト供給の半分強を担い、全世界の埋蔵量のおよそ半分が同国に集中している。
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 コバルトの生産量が増えれば、貧しいコンゴに多額の追加収入をもたらし、地球温暖化防止にも役立つ。しかし十分な水が得られなければ、こうした期待もしぼんでしまうだろう。
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 リチウムイオン電池は、使い捨て電池と違って繰返し充電して使える電池なのだ。電極材料として正極にはコバルト酸リチウム、負極には炭素が使われていて、両極の間は電解液に漬かったセパレータと呼ばれる孔のあいた膜で仕切られているの。私(リチウム イオン)が充電の時には、正極から負極へ、放電の時には、負極から正極 へ移動することで電気を起こし、電気をためたり使ったりすることが出来る
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 SPring-8のX線を使って劣化の解明に挑んでいる。X線を照射して観察すると、電池の正極(コバルト酸リチウム)が電解液に接した時に、電極表面のコバルトが化学反応を起こして、その部分にリチウムイオンを通しにくい極めて薄い膜が出来ることがわかった。この膜がリチウムイオンの出入りをふさいでスムーズな移動を妨げて、それが繰り返し充放電の障害となり、電池の劣化につながっている。
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 2016年10月5日、電気自動車の内部に採用されている新素材は、自動車産業で使われる金属材料の市場を一変させ、コモディティ投資家にとって新たな戦場を生み出す可能性がある。
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 日産自動車の「リーフ」など、電気自動車(EV)の見た目は普通乗用車と変わらないかもしれない。だが、その内部に採用されている新素材は、自動車産業で使われる金属材料の市場を一変させ、コモディティ投資家にとって新たな戦場を生み出す可能性がある。
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「需要の転換点を迎えている分野として電気自動車を捉えている」と語るのは、ベアリング・グローバル・リソーシズ・ファンドでポートフォリオマネジャーを務めるダンカン・グッドウィン氏。
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 同ファンドの運用資産3億7820万ドル(約390億円)のうち、約12%がEVで使われている素材に投資されている。同ファンドは、EV用バッテリーの主要素材であるリチウムを製造しているニューヨーク上場のアルベマールとオーストラリアのオロコブルに投資。両社の株価は2016年に入り急騰している。
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<中国の電気自動車ブーム、外資はガソリン車で勝負>
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長期的なEV需要に対応するために、どの金属素材がどの程度必要になるかを予測することは難しく、バッテリー技術の進歩によって素材の構成が変わってしまう可能性もある。
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 ドライバーにEVを選択させることも、依然容易ではない。充電にかかる時間とその頻度のせいで、購入を考える人も躊躇してしまうのだ。
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 それでも、ディーゼル車が生み出す汚染に対する懸念から、先週パリで開催されたモーターショーを席巻したのはEVの試作モデルだった。
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 国際エネルギー機関によれば、世界で実際に走っているEVとハイブリッド車の台数は昨年100万台を超えた。
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 さまざまな予測があるが、2010年にわずか1万4000台強だったEVは、2020年までに390万台に達し、世界の小型自動車の4%近くを占めるとIHSオートモーティブは予想する。
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<EV割合が全体の60%に、30年までに世界の大都市で>
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調査ではEVのボンネットの下には、何が使われているのだろうか。
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 大半のEV用バッテリーは、リチウム・ニッケルマンガンコバルト酸化物(NMC)を正極に、グラファイト(黒鉛)を負極に使っている。主として中国で採掘されるジスプロシウム、ネオジム、テルビウムといった「レアメタル」が使われているのは、モーターの一部の電子部品である。
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 ドイツの自動車コンセプト研究所のホルスト・フリードリッヒ所長は、「現在の観点からは、EVでリチウムイオン電池が使われることは明らかだ」と語る。「リチウム、そしてコバルト、リン酸鉄、レアアースの金属などだ」
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 世界のリチウムの大半は、南米のチリ、アルゼンチン、ボリビアにある「リチウム・トライアングル(三角地帯)」と呼ばれる地域で産出される。リチウム採掘はますます収益性の高いビジネスとなっている。
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 世界最大のリチウムイオンバッテリー生産国である中国では、バッテリー向けリチウム価格が今夏、需要の伸びに伴い、1年前に比べ3倍近く上昇し1トンあたり2万ドル以上となった。
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 「リチウム産業は、炭酸リチウム換算で現在の16万トンから、2020年には少なくとも26万トンまで拡大するだろう」とベンチマーク・ミネラル・インテリジェンスでマネージングディレクターを務めるサイモン・ムーアズ氏は語る。
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 アルベマールは、予想される需要成長の半分を供給するため、バッテリー向けリチウム塩の増産に向けた投資を行っている、と同社リチウム事業子会社のジョン・ミッチェル社長は語った。
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 10月5日、日産自動車の「リーフ」など、電気自動車の見た目は普通乗用車と変わらないかもしれない。だが、その内部に採用されている新素材は、自動車産業で使われる金属材料の市場を一変させ、コモディティ投資家にとって新たな戦場を生み出す可能性がある。
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 南米では、チリのSQMは、水酸化リチウムの生産能力を7500トン増強するために3000万ドルの投資を進めていると発表した。
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 自動車市場におけるEVの浸透は、リチウム需要に大きな影響を与えるだろう」と同社は述べている。
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 世界の自動車メーカーは電気自動車の開発を重要な課題としてそれに取り組んでいる。仮に<90kWhのバッテリーを搭載した場合に、リチウムの現存推定埋蔵量から判断して7億5000万台の電気自動車を生産>できるとしている。しかし、予測される年間の世界自動車生産台数から判断して、これから先、<17年でリチウムは枯渇してしまう>という推測もある。
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 米国の地質調査所(USGS)によると、2008年のリチウム産出量は2万7400トン、2015年には3万2500トンを達成した。そして、2020年には6万トンの産出が見込まれている、と報告している。
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 リチウムの需要については、Global X Lithiumによると、2020年には29万トンから40万トンの需要が見込まれると予測されている。
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