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   2018.05.05.
 英・学校の教室:アナログ時計が姿を消す!
   
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理由は時刻が読めない生徒の増加!
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 英国の学校からアナログの時計が姿を消しつつある。試験の際などに教室にかけられた時計では正しい時刻がわからないとの生徒の苦情により、デジタル時計にかけ替える学校も現れた。英国では数年前からそうした実態が報告されてきたが、先週地元メディアがこの問題の深刻さを再度伝え、大きな話題となった。
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 ロンドンで3月に行われた教育関係者の会議「Partners in Excellence」で、デジタル表示を見慣れた10代の若者は、アナログ時計の長針と短針では時刻が理解できなくなっているという問題が取り上げられ、事態はさらに悪化していることが、地元メディアによって報じられた。
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 会議では、英国中にある幾つかの学校で、14歳から18歳までのGCSEやA-レベルといった国の統一試験を受験する生徒らが、試験会場の教室にあるアナログ時計の文字盤が読めないとの苦情を述べたため、時計をデジタルのものに替えなければならなくなったという事実が報告された。
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 ある先生は、「時刻を読めない10・11年生(日本の中3・高1に相当)、シックス・フォーム(日本の高2・高3の2年間に相当)の数に驚いた。彼らは必ずしも時計を持っておらず、時刻が表示される携帯電話を使っている。」と説明している。
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 会議後、何人かの参加者がソーシャルメディア上に、この問題に関する自身の経験を語っている。ある教師は、試験場の時計が読めない生徒がいた数年前から、この問題がわかっていたと書き込んだ。
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 英国議会の教育特別委員会議長を務める保守党のロブ・ハーフォン下院議員も、この問題は警鐘とすべきであり、全ての子供がアナログ時計の時刻の読み方を学ぶべきであると警告した。英国の算数の課程では、5~6歳の子供は、正時、30分過ぎなどの時間が読め、時計の針を描いて示すことができるとしているが、次第に実態が伴わなくなっている。
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 学校長らによる協会組織ASCLのマルコム・トローブ氏は、学校側のアナログ時計を外す決定は、試験環境の中で不要なストレスを除き、リラックスさせるものとして理解を示したが、アナログ時間を読むことは、数・順番や、世の中の動き方を知るために重要だとして、「最近の生徒は持つもの全てがデジタルで、アナログ時刻が読めない。」と嘆いた。
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