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利上げに消極的!
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世界的な成長鈍化を警告するシグナルが増えているが、今度は株式アナリストから悲観的な分析が飛び出した。通商紛争、米国の漸進的な金融引き締め、借り入れコストの上昇など悪材料に事欠かないが、この程度では済まないようだ。
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モルガン・スタンレーによると、MSCI世界株価指数を構成する先進23カ国では企業業績見通しの引き上げ件数が引き下げ件数を上回る国が2013年以来初めてゼロとなった。17か国で引き上げ件数が引き下げ件数を上回っていた6カ月前から様相が変わった。過去20年でみると、こうした現象は全米経済研究所と経済政策研究センターによる米国かユーロ圏の景気後退認定と同時期に起きることが多い。
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まだ景気後退は起きていないが、成長は鈍りつつある。
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米国の統計は先月発表された1月の小売売上高と鉱工業生産が悪化して景気減速への警戒感が強まった。続いて発表された中国の1月自動車販売台数は前年比で16%も落ち込んだ。
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イタリアは2018年末に景気後退に突入。ドイツは昨年第4・四半期の国内総生産(GDP)成長率が0.02%のプラスとなり、リセッション入りを辛うじて免れた。しかしドイツ銀行の試算によると、0.02%という成長率は、金額でみれば宝くじ「ユーロミリオンズ」の当選金額1億6000万ユーロよりも少ない。
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各国中央銀行は警戒している。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は金融政策における忍耐強さを強調し、タカ派として知られるクノット欧州中央銀行(ECB)理事(オランダ中銀総裁)も利上げに消極的な姿勢を示した。現実を直視する動きが広がれば、今後重要な統計が予想外に悪化しても投資家の動揺は小さくて済むという理屈は成り立つ。
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