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予約受け付け分全てを運休に!
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親会社のJR九州社長・おわび!
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JR九州高速船(福岡市)が、博多と韓国・ 釜山プサン を結ぶ旅客船「クイーンビートル」で浸水が発生していることを隠して3か月以上運航を継続していた問題で、同社と親会社のJR九州は8月28日、予約を受け付けていた11月25日まで運休を続けると発表した。運航の再開時期は未定としている。
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8月上旬の国土交通省の監査で 隠蔽いんぺい が発覚し、13日から運休している。これまで、9月30日までの予約客延べ約1万4千人に運賃の払い戻しなどの案内をしていた。ただ、すでに11月25日までの予約を受け付けていたため、今回、対象となる延べ約8千人に同様の対応を始めた。
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隠ぺい工作を指示していた件で、親会社のJR九州は8月13日、JR九州高速船の田中渉・代表取締役社長が取締役に降格する人事を発表した。
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新社長には、JR九州エンジニアリングの大羽健司経営企画部長が就いた。
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高速船「クイーンビートル」の浸水を隠して3カ月以上運航を続けた問題で、親会社であるJR九州の古宮洋二社長は22日の定例記者会見で「信頼を裏切ることになり、おわびします」と陳謝した。外部識者でつくる第三者委員会を設置するとし、原因究明や再発防止に取り組むという。
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問題発覚後、初めて会見に臨んだ古宮社長は「安全意識が低かった」と頭を下げた。その上で「原因が究明された時点でJR九州グループの最終責任者としてどうすべきか考えたい」と述べた。
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この問題を巡っては、JR九州高速船が2024年2月に浸水を確認したものの、5月に浸水量が増加するまで国に報告せずに運航を継続。この間、当時の社長の指示で航海日誌などに「異常無し」とうその記載をし、浸水量が増えた5月には警報が鳴らないよう警報センサーをずらしていたことも国の臨時監査で発覚した。
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古宮社長は「危険な判断だった」と振り返り、親会社として現場社員への聞き取りを進めていることを明らかにした。
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第三者委は船舶の運航や企業統治に詳しい専門家などで構成する予定。高速船の運航再開については「国の監査や第三者委の結論、社員の安全意識の向上、二度と浸水が起こらないような対策を踏まえた上での最終的な判断になる」とし、現時点では未定とした。
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JR九州によると、JR九州高速船は2月、亀裂による浸水を把握したが、浸水を感知する警報センサーの位置をずらすなどして浸水の事実を隠蔽。ポンプで排水しながら運航を継続した。
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しかし、浸水悪化で対応できなくなり、5月末に初めて浸水が確認されたと国土交通省やJR九州に虚偽の報告を行った。修理後の7月に運航再開したが、8月6日、国交省の抜き打ち監査で隠蔽が発覚。
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同船を巡っては、2023年2月にも浸水が発生しながら、法定検査を受けずに航行したとして、同6月に国交省から行政処分を受けた。
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JR九州高速船が国交省やJR九州に浸水を報告せず、 隠蔽 したまま運航した理由について、同高速船の当時の社長で8月13日に取締役に降格となった田中渉氏(JR九州から出向)ら上層部が、現場から浸水の報告を受けた際、「これぐらいの浸水量なら問題ないだろう、報告しなくていいだろうと甘く判断した」と明かした。
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さらに、「異常なし」と虚偽を記載した航海日誌とは別に、浸水状況を記していた「裏管理簿」の存在は、JR九州高速船の田中氏から船員まで16人が認識し、浸水を知らせる警報センサーの位置を付け替えた隠蔽工作は田中氏以下21人が知っていたことも明かした。運航に携わる社員のほぼ全員が把握していたとした。
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